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「余った家」掲載されたよ

みなさんお元気でしょうか、東京は梅雨です。
こちらは相変わらずびっしり仕事をしているのですが、中々表に出るものが少ない数年間を過ごしています。

今回はそんな中でも、無事に発表になったものの話をひとつ。

WEB別冊文藝春秋さんに、新作文芸ホラーを載せていただきました!
わーい。いわゆる文芸ジャンルでの初書き下ろしでしょうか。
実は二見書房さんの「ゴーストリイ・サークル」もラノベではないのですが、きっぱり文芸を意識した内容、文になっている書き下ろしは今回が初めてと言っていいと思います。

「余った家」は2023年のnote主催の創作大賞にて、「庭を造る」という小説が入選したのをきっかけに書いた短編です。
「庭を造る」はすでに少女文学という同人誌に載せていた小説でしたから、入選したとはいえ別冊文藝春秋に再度載せるのものちょっともったいないね、新作のほうがいいよね、となって、じわじわ取り組んでいたのでした。

「庭を造る」がお仕事小説であり、家族小説であり、ホラーでもあったように、今回の「余った家」も、ホラーであり、割と強めの色合いで家族小説です。ここで、私にとっての文芸と、普段書いているもの(ライト・エンタメ)との差について話します。

私は、普段書いているものは、読者さんにとって気持ちよくあれ、と思っています。気持ちよく読み、気持ちよく読み終わることが大前提の小説です。そのためにたくさんステレオタイプのイメージを書きます。定番の型も使います。主人公には、主人公補正も入ります。

対して、「庭を造る」や「余った家」には、圧倒的に正しかったり努力していたり勝利していたりする主人公はいないし、必ずしも報われません。
家庭、家族というワードも美化されません。
安心できる素晴らしい終着点は、ひょっとすると、どこにもありません。
何もかもが多面体で、いや、もっとぬるっとしたものが人生だよねというか、まあ、そういう視点で書かれています。

普段の読者さんが今回のお話を読んでどう思われるかな~というのが、少し不安でもあり、楽しみでもあります。
もちろん、初めましての読者さんは、初めまして。
人生のほとんどを費やして、薄暗く薄明るいもの、ひとの死んだり生きたりを書いている者です。

今後もこんな塩梅の小説も書いていけたらと思っています。
気が向いたら、応援してやってください。

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