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シニスターミニスターと「ノーザンダンサー×バックパサー」血脈の親和性を考える

 JBCクラシックを勝利したキングズソードは、シニスターミニスターと『デインヒル』の血の組み合わせをもっています。このパターンの牡駒は9頭中6頭が勝ち馬。キングズソードとその全兄・キングズガード(プロキオンS)のほか、フルム(4勝)などの活躍馬をだしています。

 今回のお話は、デインヒルのような「ノーザンダンサー×バックパサー」血脈は、シニスターミニスターと親和性が高いのではないか? という推測がテーマです。
 

 デインヒルは父がノーザンダンサー、2代母の父がバックパサー。上記の「ノーザンダンサー×バックパサー」血脈に該当します。実はキングズソードの血統内にある「ノーザンダンサー×バックパサー」血脈は、デインヒルだけではありません。2代母の父にいるラシアンルーブルもおなじ構成です。
 

どちらも「ノーザンダンサー×バックパサー」構成


 その視点からシニスターミニスター産駒をみると、ほかの活躍馬の血統内にも「ノーザンダンサー×バックパサー」血脈が暗躍していることがわかります。すべて確認できたわけではありませんが、目立ったところを以下にまとめてみました。


デインヒル(牡駒限定)

9頭中6頭が勝ち馬
キングズソード、キングズガード、フルム


ラシアンルーブル(牡駒限定)

3頭すべて勝ち馬
キングズソード、キングズガード、ラインガルーダ(3勝)


ポリッシュプレセデント

4頭中2頭が勝ち馬
インカンテーション(重賞6勝)


アサティス(牡駒限定)

7頭中4頭が勝ち馬
スリーグランド(バレンタインS)、ダブルスター(アルデバランS)、 サトノユニゾン(3勝)、ラインオブソウル(3勝)


 代表的なパターンはこのあたりになります。いずれも該当馬が少なく、ニックスと断定はできません。ただ複数の血が揃って実績を残していることから、親和性が高いと考えていいのではないでしょうか。


 なお「ノーザンダンサー×バックパサー」血脈であることはわかっていますが、あえて具体例として取り上げなかった血があります。マルゼンスキーとトライマイベストです。最後にこのふたつの補足をして終わりたいと思います。


マルゼンスキー

 父父がノーザンダンサー、母の父がバックパサー。おなじ法則にあてはまる血です。スリーグランドやメイクアリープなどの活躍馬をだしていますが、牡駒の勝ち馬は15頭中5頭。あまり目立つ成績は残していません。
 先に挙げたデインヒルなど好相性の血は、いずれも屈強な筋肉をベースにしたパワーを伝えます。マルゼンスキーにもパワーは備わっていますが、どちらかと言えばスピード寄り血統。タフなパワーではありません。シニスターミニスターが好むのは、泥くささなのかもしれませんね。


トライマイベスト

 父がノーザンダンサー、母の父がバックパサー。牡駒はアシャカトブやスマートフォルスなど、16頭中11頭が勝ち馬になっています。成績は非常に優秀。今回のテーマなら、むしろ真っ先に取り上げていいくらいです。
 ではなぜ候補から外したのかというと、このパターンにはもうひとつ、別の恩恵をもたらす仕組みが同時に働いているから。該当馬16頭のうち、14頭が「キングカメハメハ」を経由してトライマイベストを合わせています。このキンカメがシニスターミニスターと好相性なのです。詳細は以下の別記事をお読みください。
 もちろんシニスター×キンカメにおいて、トライマイベストの恩恵が重要な一因であることもたしかでしょう。ただデインヒルやラシアンルーブルのような、泥くささが主体という印象はありません。そのため番外編として紹介することにしました。相性自体は抜群に良いので、注目しておきましょう。


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