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エーピーインディとラストタイクーンの親和性の高さを考える

 エーピーインディ系の種牡馬は、ラストタイクーンの血をもつ繁殖牝馬と親和性が高い印象をもちます。とくに牡馬の産駒に効果が大きいようで、注目しておくべきかもしれません。今回はこの組み合わせについて考察してみたいと思います。まずは主な組み合わせと、活躍馬の一覧をまとめました。


シニスターミニスター×ラストタイクーン

10頭中7頭が勝ち馬 ※牡駒限定
アシャカトブ(OP2勝)


マジェスティックウォリアー×ラストタイクーン

6頭中3頭が勝ち馬 ※牡駒限定
スマッシャー(ユニコーンS)


パイロ×ラストタイクーン

12頭中6頭が勝ち馬 ※牡駒限定
ファイアランス(4勝)


カジノドライヴ×ラストタイクーン

4頭すべて勝ち馬 ※牡駒限定
プレスティージオ(5勝)


ラニ×ラストタイクーン

3頭中1頭が勝ち馬 ※牡駒限定
リメイク(カペラS)


 いずれのパターンも勝ち馬率が高く、上級馬もだしています。いまのところ結果が出ていないのはクリエイターⅡくらいでしょうか。クリエイターⅡもまだ該当馬が3頭だけですから、これから大物を出す可能性はあると思います。


 ではなぜこの組み合わせが有効なのか、具体的に考えてみることにします。

 エーピーインディはゆったりとした惰性的なスピードが特徴。柔らかみのあるストライド走法を子孫へと伝えます。パワーもしっかりと兼備しており、筋力によって全身を大きく可動させ、力強く掻き込んで推進力を得る構造です。当記事では、エーピーインディの資質を“パワーストライド”という表現で書いていきます。


 エーピーインディが伝えるパワーストライドは、血統内に含まれる四つの仕掛けによって生み出されています。
 

  1. ナスルーラ 5・5×4(スピードの源)

  2. プリンスキロ 5×4・6(惰性力・ストライドの源)

  3. バックパサー(パワーの源)

  4. ストライキング=ブッシャー ※全きょうだい(パワーの源)


 わかりやすいかなと思って、各血脈をスピードやパワーなどに分類化してみましたが、実際はそんなに単純ではありません。それぞれが融合した結果のパワーストライドなのですが、今回は便宜上ということでご了承ください(何の便宜かはわかりませんが、笑)
 

 
 今回エーピーインディと親和性が高い血として挙げたラストタイクーンは、上記の四つの要素をすべてもっています。
 

Mr. Busherは、ストライキング=ブッシャーと全きょうだいの関係


 つまりエーピーインディの軸となっているすべての血を、ラストタイクーンは刺激できるというわけですね。エーピーインディのパワーストライドの良さを、ダイレクトに刺激して受け継がせることができる。これが好成績に繋がっているのでしょう。

 ちなみに、エーピーインディ系の種牡馬ではありませんが、エーピーインディを母の父にもつ種牡馬・ダンカークも、ラストタイクーンもちからシークレットラン(4勝)を出しています。
 またエーピーインディはもたないものの、エーピーインディと血統構成が近いリーチザクラウンにも注目。代表産駒のクラウンプライド(チャンピオンズC2着)はラストタイクーンもちです。これもおそらくおなじ仕組みが働いているのだと考えられます。


 エーピーインディとラストタイクーンの組み合わせは、いまのところ該当数は多くなく、あまり試みられている印象はありません。例えばキングカメハメハの肌にエーピーインディ系の種牡馬を組み合わせるなどして、もっと積極的に狙っていいんじゃないかと思った今日このごろです。


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