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リタイアメント口座に潜むリスク/その③長生きすればリスク増

老後のマーケット変動、老後の税率など、コントロール不可能なリスクが
ついて回るのがリタイアメントプランニング。
そして自分のことなのにコントロールできないのが、どれだけ生きるのか。

医療の進歩で平均寿命が伸びる中、老後資金と自分の命、
どちらが先に尽きるのか・・・・・・それがLongevity Risk

老後資金を使い果たすリスク

命を全うするには、老後資金から毎年どれくらい引き出して使えるのか。

1990年代にWilliam Bengenというファイナンシャルアドバイザーが
10万通りのシミュレーションを行い、導き出された割合は4%
そして2010年代にはこの4%が見直され、今は3%と言われいます。

BlackRockの資料から引用

上の図はインベストメント会社BlackRockから出ている資料です。
老後20年、25年、30年、それぞれStock/Bondのポートフォリオで、
何%(表左)ずつ引き出した場合の確信を%で表したものです。

90%以上が安泰、70%以上は必須、ということなので、
長生きし老後が30年以上あると、やはり毎年の引き出しは資産の3%

老後資金はいくら必要

例えば年間$100,000の生活をする人が、生活水準を変えず老後を過ごし、
老後資金を命より長持ちさせるには・・・・・・
その人の老後資産 x 3%=$100,000である必要があります。

逆算すると必要となってくる老後資産は・・・・・・
$100,000 ÷ 0.03 = $3,333,333.33

命が尽きるまで、安心して年間$100,000の老後を送るには、
3.3 millionの資産を作る必要があるのです。

介護費用のリスク

老後を安心して送るため資産を構築、それだけでは払拭できないのが長生きに潜むもう1つのリスク=Long Term Care Cost(介護費用)

私の住むカリフォルニア州では介護(Long Term Care)施設費用は、
平均で月$10,000、年間$120,000と言われています。
夫婦の場合、一人の介護費用にもう一人の生活費が必要になります。

そして、介護施設の利用期間は平均で3年、長い人で16年という方も。

3%ルールに乗っ取り資産を構築をしたとしても、介護費用が必要となると、命が尽きる前に老後資金を使い果たす可能性が出てくるのです。

またこの介護費用は社会保障(Social Security & Medicare)でカバーされると
誤解されがちですが、全くカバーされません。
介護(Long Term Care)はMedicaidがカバーします。
しかし、Medicaidを受給するには所得制限・資産制限の条件を満たす必要があり、まずは自分の資産を使い果たす必要が出てくるのです。

介護施設に入る可能性

David McKnightの『Tax-Free Income for Life』という書籍によると、
アメリカ人の介護施設に入る割合は、65~74歳のうちは1.1%
しかし85歳以上となると介護施設に入る割合は15%
85歳以上の夫婦の場合28%の割合で、夫婦のどちらかが介護施設に入っていると言われています。

また現在65歳の男性が93歳まで生きる可能性は25%、
65歳の女性が96歳まで生きる可能性が25%、
65歳の夫婦のどちらかが98歳まで生きる可能性も25%と言われています。

長生きすれば上がる介護施設に入る可能性、これも長生きのリスクです。

リスク回避の方法

3%ルールをも食い尽くす介護費用・・・・
明るい老後が全く見えないですが、これらを回避する方法があります。

老後に重要になってくるのは、資産の大きさ($3.3 million)ではなく、
マーケット変動の影響を受けることなく、命尽きる日まで続く、
Guaranteedされた固定収入。

2019年にはアメリカ議会も国民の老後収入を安定させる為、
401(k)にAnnuity(年金)の部分導入を推奨する法を通し、
Annuityへの資産分散が注目されてきています。

介護費用については、まず介護が必要となった際どのように対処するのか、
家族(パートナー・子供)が看るのか、施設に入るのか。

そして施設に入る場合、その費用はどのように捻出するのか考え、
準備しておくことをお勧めします。
貯金、介護保険、リバースモーゲージなどが考えられますが、
実は意外と多いのが子供が支払う、そしてMedicaid。
アメリカではMedicaidが支払う介護費用が増え続けている状況で、
社会保障制度が破綻の危機を迎えています。

私たち夫婦は今共に40代ですが、あることがきっかけで介護保険を検討中。
その件に関してはまた書かせて頂きます。


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