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コロナ禍 翻訳よりも通訳のほうが変化が大きかった

業界によって新型コロナウイルスの影響はさまざまだ。

翻訳通訳業界は海外とのやりとりなので仕事が激減する!?と身構えたものの、実際のところ、エージェントとしての仕事量は予想していたよりはある。下がっているものの「あ、わたし働いてる」と実感できる程度にはある。

ただ、明らかに変化はあった。

翻訳の変化 ~観光エンタメ減、法務ビジネス増~

翻訳に関してえば、基本的にはみなさま在宅勤務なので業務フローの大きな変化はなかったが、お客様の業種は変化があった。

このグラフは会社として、ではなくいままで自分が個人で関わった業務のグラフ。
(2012年~2020年)

グラフ1

コロナの影響がでてきた2020年の3月から今日までを抜き出してみると。

グラフ2

あきらかに「芸能・芸術・(スポーツ)」の青が減ってる。
体感としては4月なので繁忙期の「観光・地方創生」が減ってる気がしたけど、もともと占める割合が多くなかったのかグラフを見るとそこまでは減ってない。微妙に「製造業・工業」も減ってる。

本来であれば、「観光・地方創生」と「芸能・芸術・(スポーツ)」が今年は劇的に伸びるはずだったのに。

嗚呼Tokyo2020。

その代わりに割合が増えてるのが「法務・会計」。
そういや春から硬い仕事ばっかりやってたわ…。

翻訳サービスは様々な業界と関わるホリゾンタル(水平)、浅く広くの業務なので、今回のように飲食・サービス・観光が歴史的ダメージを受けようとも仕事自体はなくならない。

専門性の高い翻訳者はバーティカル(垂直)、深い知識や経験を求められるので単価も高めの設定のこともあるけど、今回は一部の業種に偏っている翻訳者は仕事が減ってるかも。

私は会社としても個人としてもホリゾンタルタイプなのでダメージは少なかった。

通訳の変化 ~一部の人に仕事が集中 一方「ゼロ」の人も?~

通訳に関していうと、3月4月は会社としての手配がほとんどなかった。5月になってやっと会社のオンライン環境が落ち着いてきたのか少しずつオンライン通訳の仕事が出てきているけど、現場(オンサイト)は全滅(通訳さんも行きたくないしね)。

一気にオンライン主流になったので、人によっては機材機器などの環境が揃ってなかったり、ソフトやサービスの使い方に慣れてなかったり(通訳さん以外、現場サイドでも問題が多発!)。

仕事も一部の業種(医療・製薬)に全振り状態になっていたので、翻訳よりもより一部の人に仕事が集まりやすく、「仕事ゼロ」の人も結構いると聞く。観光ガイド兼任タイプの通訳者だと専門領域軒並みアウト。

変化についていけないと仕事がなくなる!というのを実感したここ数か月。

翻訳通訳業界のアフターコロナ ウィズコロナ

翻訳は仕事スタイル事態は変わらないかな。ただ、「在宅で仕事できるよ✨」と新規参入者は入ってきそう(入ってきてる)。仕事自体が爆発的に増えることはあまり期待できないので、どうやってお客さんとつながるか、どうやって仕事をどう創り出すかが課題。

通訳は劇的に変化する。自宅に書斎または小さなスタジオみたいなスペースがあって、オーディオ機器が揃っていて、かつ通訳技術がある人が重宝される。今までだと「パソコン苦手なんです」という通訳さんでも現場でのスキルがあればなんとかなった(エージェント側でフォローできた)けど、今はオンライン業務ができないと仕事お願いできない。逆に地方に住んでることがデメリットではなくなるのでそこはメリットかな。

生き方、働き方を大きく変えた新型コロナの大流行。
翻訳通訳のお仕事は無くならないけど、時代の変化にはついて行かねば。




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