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エルサレムのキュリロス

チリロは特にギリシア生まれの新受洗者に対して、彼らに適した視力に訴えかけます。儀式から神秘に移行することによって、人びとを驚かす心理的効果と、復活祭の生き生きとした体験が与えられます。洗礼の神秘を説明する個所はこう述べます。「3回水に浸かり、また水から上がりましたが、それでキリストの3日間の埋葬を暗に象徴していたのです。というのも、わたしたちの救い主が地下で3昼夜を過ごしたように(マタイ12・40参照)、あなたがたも最初に水から上がったことでキリストの地中の最初の日を模倣していたのです。というのも、夜の中にいる人がもはや何も目にせず、昼の中にいる人が光の中に生きるのと同じように、水の中に入ることで夜の中にいるように何も見えず、水から上がったことで再び昼にいるようになったのです。そして同時に死にかつ誕生したのであって、あの救いの水はあなたがたにとって墓であり母でもあったのです。・・・・あなたがたの場合には・・・・『死ぬにも時があり、生まれるにも時がある』ということになるわけです。そして一つの時がそれらの両者を造り出したのです」(『洗礼志願者のための秘義教話』:Mystagogiae 2, 4〔大島保彦訳、上智大学中世思想研究所編訳・監修『中世思想原典集成2 盛期ギリシア教父』平凡社、1992年、151頁〕)。

エルサレムのキュリロス『洗礼志願者のための秘義教話』が、中世思想原典集成の第2巻「盛期ギリシア教父」のなかに含まれています。

読後の感想については、各読者に委ねたいと思います。

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