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ブラシレスDCモーターを自作してみる

ブラシレスDCモータ。電子工作をしていて聞いたことはあるけれど特に使う用事もないし難しそうで触ったことがなかったのですが、ちょっと考えるきっかけがあってYoutubeでいろいろ動画を見ていたら、「ただ回すだけならなんとなくできそうか?」と思い、勉強のために作ってみることにしました。

ブラシレスDCモータとは何か?

Webでいくつかのページを見てみた結果、よくわかりませんでした…。似たものがあって区別がはっきりしないのですが、概ね下記のような感じだろうと理解しました。

永久磁石同期モータ(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)
 回転子が永久磁石、固定子が巻線の同期モータ。
ブラシレスDCモータ(BLDC:Brushless DC Motor)
 永久磁石同期モータの一種で、巻線は集中巻き。モータ内に位置センサがあるものとないものがある。
ACサーボモータ
 これも永久磁石同期モータ一種で巻線は集中巻き。モータの外にシャフトを介して接続された位置センサ(エンコーダ)がある。

ということで、回転子を永久磁石、固定子を集中巻きとしたモータを作って回せれば、ブラシレスDCモータを作ったと言えそう。

モータの設計

なるべく簡単に作るため省略できるものは省略します。磁石と巻線の構成は最も単純な2極3スロット。位置センサは無くてもなんとなく回るだろうと考え、位置センサは省略。鉄板を加工するのは大変なので、磁界が発生さえすれば鉄心無しでもなんとか回るだろうと考え、鉄心も省略。3DプリンタでABS樹脂を使って作ります。
磁石と巻線用電線はこんなものを準備しました。あとベアリングも。

これらの材料に合わせて3Dデータを作成。

モータの製作

部品を3Dプリンタで出力。少し前に新しい3Dプリンタを買ったので、縦長の薄い部品も結構丈夫に作れるようになりました。


巻線は1個あたり9mほど巻きますが手で巻くのは大変なので、こんな治具を作ってちょっとだけ自動化しました。

組み立てるとこんな感じになります。

制御回路の設計・製作

駆動回路は三相インバータ回路になります。これもなるべく簡単に作るため、モータ、駆動回路、制御用マイコン全部で5V単一電源としました。これならハイサイドのトランジスタも一応ON/OFFできるだろうという考えです。トランジスタは手近にあった2SC1213(2SC1815と似た感じのトランジスタ)です。

この回路をブレッドボードに組みます。制御に使うマイコンボードはArduino UNO R3です。手動で回転速度を調整できると便利そうなので、可変抵抗も付けてみました。
今回はモータはY結線(スター結線)にしました。

制御プログラム

一番簡単そうな矩形波の120°通電です。センサによるフィードバックはないので、6個のトランジスタのベース(抵抗)に図のような順番で電圧を印加するだけです。

動作テスト

こんな感じで回りました。
回転がわかりやすいようにプロペラっぽいものを付けてみました。

まとめ

一応、ブラシレスDCモータを作れた。と思います。
ブラシレスDCモータとインバータ回路が少し身近になりました。

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