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暮瀬堂日記〜女郎花(おみなえし)

 休みなので、公園に句材を探しに赴いた。まだ陽が昇らぬ内にと思ったが、八時をすぎれば、すでに炎天が始まっていた。だが、ぎらぎらする陽射しの片隅で、ほんの少しの秋に出逢った。

  背景に深空を欲す女郎花

 眩しい黄色には、遠く、深い、空の青さが似合っている。女郎花は、そこを選んで咲くのかもしれない。
 句材に遭遇すると、景色はひとり歩きを始めるのだった。

(旧暦六月二十六日 立秋の節気 寒蝉鳴く候)

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