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暮瀬堂日記〜茗荷の子
母から届けられた茗荷の子も、残りわずかとなってしまった。
刺身や冷奴の薬味で使っていたので、寂しい限りである。買うとなると三個で200円程もするので、なかなか手が出ないので重宝していた。
茗荷の名前には紛らわしいことがあり、「茗荷」と「花茗荷」は別種であるが、ふだん食用にする「茗荷の子」のことを「花茗荷」と呼んだりする。ちなみに「茗荷の子」に咲く花は「茗荷の花」である。
俳句では、茗荷の新芽の「茗荷竹」は晩春、「花茗荷」は仲夏、「茗荷の子」は晩夏、「茗荷の花」は初秋となる。食材としても俳句としても楽しめる茗荷は、まことに有り難いものである。
茗荷の子ミミズの生まれ変はりかな
土の中を知り尽くす茗荷を思うと、かようの一句を呟いていた。
※↑花茗荷
※↑茗荷の花
※↑茗荷竹
(新暦十月十六日 旧暦八月三十日 寒露の節気 菊花開【きくのはなひらく】候)
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