暮瀬堂日記〜炎帝
昨日に続き、燦燦と日が照りつけていた。
ノー残業デイなので全ての納品を終えたのはいつもより早く、昼過ぎである。
赤羽駅前を歩いていると、左手に赤羽台トンネルが目に入った。出口と入口に、陽炎が仁王立ちするように、めらめらと立ち昇っていた。
トンネルで炎帝地団駄踏みにけり
トンネルの中に逃げ込めば、幾分涼しげかもしれない。と思ったが、排気ガスで却って暑さが増しているので、下闇に佇むべきではないか。
そんなことを、暫し緑陰で考えていた。
(旧暦四月廾六日 芒種 梅子黃ばむ候)