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暮瀬堂日記〜プルが天国に旅立った

 午前一時五十三分、七年半、一緒に暮らして来たプルが天国に旅立った。

 昨日の朝、いつものように部屋の掃除をして出勤する時は元気だった。

 午後四時半、帰宅すると、見た感じはいつものようにベランダに佇んでいたが、全然水も飲まず、排尿も無いとのことだった。
 抱っこすると、肛門の周りが赤くなっていた。今までは、具合悪くても、自分で元気になってくれていたが、何だか違う感じがして、二人で覚悟をした。

 口に水を含ませると、思い出したように、大量に水を飲み始めた。旨かったのだろう。

 その後、家人が寝室で抱っこしてあげると、気持ち良さそうにしていた。それを見て、どこかで、きっと良くなる、と思っていた。

 夜中、付き添っていた家人に起された。
 のたうち回り、「きゃ〜ん!」と最後の叫び声を上げると、その後は毛並みにさざ波が立ち、息を引き取った。家人の胸の中で旅立った。

 鳴かない兎が、最初で最後の声を上げたのだった。

 私達のところに来てくれて、本当にありがとう。私達を見守っていてください。そして、生まれ変わって、また、うちにおいでね。楽しい、楽しい、七年半、でした。ゆっくり、やすんでください。

 淋しいな。

 ため息。

 涙が、流れてくる。

 またね。

(旧暦四月廾七日 芒種 梅子黃ばむ候)

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