けものみち

なーんにもない
くさぼーぼー
きがはえて
あるけない

こんなところにだれがつくった
けものみち
さいしょはなかった
けものみち
だれかがはじめて
けものみち
だれかがそのあとおいかけて
だんだんできてく
けものみち

さいしょのけものは
どんなきもちだったのかな
たぶんなんにもおもってなさそう
「きのこはどこじゃ、はたけはどこじゃ」
どーせそんなことかんがえてたんだろう
でもはじめてははじめて
それでもけものはあるいていく

ぼくはにんげんで
よわむしで
いつもふあんでちぢこまる
いつもこわくてないている
いっぽもだせずに
くさもふめずに

まわりのにんげんは
けものみちをつくってるとちゅう
ぼくだけここでとまって
きやくさがしげるそのさきをみつめている

こたえはみえない
なにをすればよいのかわからない
これがよいのかもわからない
にんげんのけものみちは
おもっているよりつくりにくい

でも
わからないけど
いままでいきてきたなかで
そしていまこのときも
どんなにほそく
どんなにあらくても
たしかにふみしめてきた
あしあとがある
それもきっとけものみち

これからも
どーせしらずしらずのうちにつくってく
けものみち
たちどまってるとしてもどーせつくってる
けものみち

いつかふとしてうしろをみると
あらびっくり
ちゃんとけものみち
いがいとだれかにはなせるものかも
けものみち