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概説・谷中中学事案(前編)

東京都足立区谷中(やなか)中学。ある時、その校門の前にうつむき座り込む、制服姿の男子中学生らしい少年を映した映像がX(当時はツイッター)に投稿され、数万のリツイートを得ていました。

この少年に何があったのか。以前、このブログで数回にわたって、投稿した谷中中学事案ですが、半端なままで長く中断していたため、(私のブログで最も閲覧数が多い)今回、あらためて、振り返り、まとめてみます。

その少年、誠一郎君は(当時)谷中中学の2年生でした。ある朝、教室で他の生徒と喧嘩が起きます。ある生徒(A)が彼の腰のあたりを蹴ってきたのが、ことの発端です。それに彼が応戦する、これに他の生徒(B)もAの側に立って、参戦し、2対1の様相になり、結果、彼は最終的に3人の生徒から床にうつぶせ状態で取り押さえられることになります。

学校から彼の自宅へ連絡があり、彼はそのまま早退、家に帰ってから医療機関へ行きます。彼は父親の判断もあって、翌日は学校を休みます。

誠一郎君の方も反撃しているので、これはイジメというよりは喧嘩の文脈です。しかし、彼のほうがダメージが大きく、彼は、その後、病院に何度か通院することになります。

彼の怪我は後遺症があるわけでなく、彼の心にも大きな傷を残すほどでもなかったようで、この程度であれば、ケガをさせた側、AとBに謝罪させ、彼の治療費はAとBの保護者がもつ、でこの件は済んだはずですが。

当日の夜、誠一郎君の父親が担任と電話で話をします。病院に連れていったこと、そのうえで警察に被害届を出すと。すると、担任は「彼が鉄パイプを振り回して」と説明します。勿論、そうした事実はありません。

父親は息子を連れて、警察署に被害届を提出し、警察側はそれを受理します。また、父親は息子を伴い、教員らと話の機会を持ちます。校長はトイレに逃げ込んだり、会ってもうつむくばかりで、父親とまともに話ができず、副校長が対応の中心になっていきます。「息子が鉄パイプを振り回して、あの話は何?」父親からの問いかけに対し、担任は「そんなことは言ってない」とすれ違い。

誠一郎君はほどなく、登校を再開します。ちなみに、谷中中学は1学年3クラス。彼に怪我をさせた男子生徒AとBは学級委員長と生徒会長でもありました。登校を再開した誠一郎君とAとBとの間で確執が生じることはなかったのですが、副校長は誠一郎君を連れて、警察署に行き、被害届の内容を変更させようとし、警察もそれに応じます。彼の被害性を矮小化しようとしのたでしょう。

これを受け、父親は警察署へ行きます。誠一郎君は自分の自宅の住所を知りませんでした。通常、届けには住所の記載を求められるわけですが。当人は住所も知らないのに、なぜ、変更に応じたのか。父親からの追及を受け、対応した警官は後日、他の警察署に異動になったとのこと。

また、生徒Aは頭部から頬、顎にかけて包帯を巻いていたそうです。被害を訴求する演出だったのか。(事実なら入院ものでしょう)その割に給食も普通にとるし、水泳の授業にも包帯をとって、参加していたそうです。さらに、Aには診断書まであるというのです。

Aは診断書がある、と主張する、それにBと担任も同調し、自分達の被害性を、ひいては誠一郎君の加害性を唱えていたそうです。(医師が虚偽の診断書を作成した場合は医師法違反に問われます)

ほどなく、学校は夏休みに入ります。父親は学校に問い合わせます。「誠一郎が鉄パイプを振り回したとかあの説明は何だったのか」と。しかし、学校側から明確な説明はないまま。

2学期になると、学校側は誠一郎君に対し、「適応指導教室に行くよう」と指示が出されます。適応指導教室、そこは不登校の生徒が通うところです。しかし、彼は学校に行きたいわけです。

学校とのやり取りを経て、彼は学校に登校するわけですが、彼を待っていたのは別室でのプリントの自習と副校長からの連日の詰問。

「謝れ、謝るか」

副校長は誠一郎君に何かの謝罪を求めてきます。イジメ被害者側が謝罪させられる、という現象がありますが、これも同種の現象ですね、加害者側に同調する人が被害者を不当化しようとする。

「謝りません」

誠一郎君は不当な要求に屈しません。しかし、副校長からの圧力は連日、続き、彼は心を病み、心療内科へ通院することに。

そして、彼は冒頭で書いたように、毎朝、校門の前に長時間、座り込みを始めます。学校は登校を認めない、彼は適応指導教室に通う意思はない。彼が始めたのが抗議の座り込み。

やがて、毎朝、そこを通過する地域の人、ナオさん(仮名)がいつも、そこに座り込む彼の姿を不審に思い、彼やその親の許諾のもと、彼の様子を撮影し、ツイッターに投稿、結果、それが多くの人々の知るところとなります。

ナオさんのアカウントにはやがて多くの誹謗のDMが寄せられます。あるいは学校関係者からのものだったでしょう。この映像の投稿を見て、心ある市民達が駆け付けます。

ある市民(Cさん)は足立区の区議会議員らに電話で話をします。どの議員も話を聞くだけだったなか、唯一、現場に足を運んでいただいたのが、土屋のり子議員でした。

例の映像を見た、仙台市から訪れたタクシー運転手の自来也さん(仮名)と土屋議員が合流し、2人は谷中中学を訪れ、校門ごしに副校長と話をしますが、ろくに問いかけに答えることもなく、副校長は校舎に向かって走り去ったそうです。
(後編に続く)

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