見出し画像

ヨシモトとテレビの時代の終わり、男女の共同参画のこと

2024年です。皆様、こんにちは。前回の投稿から2ヵ月あまり、久しぶりの投稿になります。今年は年初から大きな災害や事故もあったので、挨拶は簡潔にします。

まずは松本人志氏のこと。昨年の「帝国」ジャニーズもそうですが、「国策企業」ヨシモトもついに、来たか、という感じがいたします。

90年代、ネットが登場し、2010年代から、ネットで動画のコンテンツや配信が台頭し、テレビの地位が相対的に低くなっているとは思っていたところで、象徴的な事案が発生しました。

視聴率でテレビを支えてきたのは娯楽系、とりわけ、バラエティーであり、お笑い芸人であり、ヨシモトだったでしょう。維新と提携し、万博にも関わり、民放とも株式を共有するなど、国策企業といった観があるヨシモト。

その代表的なタレントの不祥事の報道。この事案に関しては様々な視点から、意見や解説がなされてますが、私が感じたのは「テレビの凋落」です。

近代のある頃、街に映画館が登場し、戦後になると家庭にテレビが普及します。やがて、ビデオデッキやゲームの普及でテレビは一部屋に一つとなります。

60年代に登場したテレビは70年代に家庭に本格的に普及し、それまでのメディア、新聞(活字)やラジオ(音声)を凌駕する存在とし、キングオブメディアの地位にあり続けました。

2000年代初頭、IT企業の寵児、ホリエモンがフジテレビの買収をしかけましたが、まだ当時はテレビの影響は大きく、その試みは頓挫します。

現在はどうでしょう。パソコン、ネット、スマホの普及により、映像コンテンツは時間、場所、企業・団体に属する、といった制約も無くなりました。テレビを見ない、持っていない、代わりにスマホやパソコン(ネット)を読む、視聴する、そうした人々が確実に多くなってます。すなわち、テレビの相対的な地位は低下していると。

あらためて、松本人志氏のこと。女性関係の不貞、ということなんですが。芸能界一般、もともと女性ファンが男性芸能人に群がる現象があります。

松本氏ぐらいの芸能人であれば、声をかければ、ファンの女性は集まるでしょう。そこから会食を重ねて、関係を築く、そうした手順を踏みそうなものですが。

松本氏は妻子がいるわけですが、後輩芸人を使役し、一般の女性を目的や誰に会わせるのかを事前に伏せたまま、連れて来させ、いきなり、性交渉に及ぼうとし、さらには子供を産んでほしいと、その女性に迫ってきたと。

これはありがちな芸能関係の一過性のスキャンダルではありません。報じたのはあの文春です。かつて、ジャニーズの件を報じた。そして、今回はヨシモト。昨年のジャニーズの展開があるだけに、松本氏も笑いを取る余裕はないでしょう。

松本氏の件が報じられると、X(twitter)では一般の人々の間から、これを機として、ヨシモトの笑いの文化、イジメ然としたノリ、若い女性芸人へのセクハラで笑いを取る姿勢にこれまで違和感を抱いてきたことが次々と表明されています。権威性があるものへ向ける笑いではなく、弱者へ向ける笑いへの違和感と反発ですね。

テレビというメディアも芸能事務所としてのヨシモトも、これからも続くのでしょうが、繁栄の時期は確実にピークアウトした、と私は見ています。

あるXのポストで、松本人志氏を擁護する文脈で、「松ちゃん(松本氏)のような人は数多(あまた)いるのだ(意訳)」との投稿がありました。確かに、松本氏のような権力の勾配を利用した性的な搾取は様々なところで見受けられるのでしょう。

芸能界で活躍する女性のなかにはセクハラ、性的イジメに耐えて、適応することで、今の地位を獲得した、維持してきた人もいるのでしょう。しかし、これからはどうか。

現在、起きていることはメディアの首座がテレビからネットへの移行が決定的になった、ということ。また、女性への性的イジメ、セクハラ、性暴力など、かつては問題視すらされなかったことが、問題として顕在化してきたことでしょうか。

これまでは女性へのセクハラ、性的搾取を容認する風潮があり、それが女性の社会進出の妨げとなってきたでしょう。

家庭内にあっては夫が上で、妻が下。だから、男が読書している間は女は家事をする。また、女が育児をし、その育児が忙しくても、家事の手を抜くな。組織内にあっては、セクハラに耐えろ、性暴力があっても黙ってろ。そして、女子の大学進学率は低いままでいいし、女性の政治家など社会進出は喜ばない、こうした風潮ですね。

しかし、そうした風潮は確実に変化しつつあります。

折しも、最近、日本共産党は党大会があり、同党としては初めて、女性の委員長(党首に相当)が誕生しました。

元自衛官の五ノ井里奈さんは組織内で受けてきた悪質なセクハラ、性的イジメに対して、裁判で争い一定の成果を見たのも記憶に新しいでしょう。

男女共同参画社会基本法の2条には「男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成すること」とあります。

同法が1999年に成立して25年近く、その理念はどれだけ、実現できてきたでしょうか。同法を空文(くうぶん)化させることなきよう、また、テレビ業界、芸能界のこれまでの女性が尊重されない風潮とも決別していかなければなりません。

永田町もずいぶん、騒がしいことになっております。今年も日本で、世界でさらなる変化が起きるでしょう。皆様にとって、よき1年でありますように。

皆さまのサポート宜しくお願いします。