おだやかな人生なんて、あるわけがないですよ
自由で、芯があって、でも不自由で、時折鬱に見舞われ、創作をし、世界を作り上げる。
わたしはそんな女性が好きだ。
ムーミンシリーズの産みの親、トーベ・ヤンソンもその一人。
舞台演出家ヴィヴェカとの激しい恋、ようやく見つけた人生のパートナー、トゥーリッキとの仲睦まじい生活。
過酷な時代を生き抜き、それでも画家としてのプライドを捨てなかったトーベの人生は、穏やかなムーミン谷とはかけ離れているけれど、切り離すことはできないものだ。
なんでこんなにトーベに惹かれるのだろう。
どうしてトーベのようになりたいと願うのだろう。
わたしの抱える葛藤なんて、トーベが抱えた葛藤と比べたら、小さくて笑い飛ばしてしまえるくらいなのに。
トーベに自分を重ね合わせるようなことはできない。でも、彼女の人生はわたしにとって大きな意味を持つ。
トーベの書いた物語、特にトーベの人生に基づく物語は、宝箱のように輝きながらわたしを暗澹とさせる。
憧れを抱かせてくれる女性はたくさんいるが、わたしの心をこんなに揺さぶる女性はトーベだけだ。もっと彼女を知りたい、もっと近づきたい。でも、彼女の人生に無遠慮に踏み込みたくはない。彼女に嫌われるような生き方はしたくない。
もうこの世にいない人々に思いを馳せることは多いけれど、彼女に抱く感情は生きている人間に抱くものに近い。
何がそうさせるのかは分からないが、トーベがわたしにとって特別な存在であるのは、間違いないのだと思う。
トーベファンのわたしが思ったことを、羅列したわたしにとっての彼女の姿。
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