沼正三超え(笑)

日本のM男の最高峰は誰か?

若い人は知らないと思いますが、ある程度のキャリアのあるM男さんなら沼正三の名を挙げるのではないでしょうか。
かの『家畜人ヤプー』の作者です。
テーマがテーマだけに、裏の世界の作品扱いですが、質の高さでは戦後日本文学の傑作の一つに数えられてしかるべき小説です。
三島由紀夫など一流の作家さんが称揚したことも知られています。

この『ヤプー』には、作者にも作品にも、偽物が出回ってるので、それしか接したことが無い人は「どこが傑作だ」と思う人もいるでしょう。
と言うか、偽物を傑作と思う人は一人もいないと思います。(笑)

沼氏は白人女性に調教されてMに開眼したそうです。
よく憶えてないですが、確か進駐軍関係の女性が最初のミストレスだったかと思います。

それはそうでしょう。
戦前生まれの日本男児の平均身長はたぶん160センチ前後。
栄養豊かなアメリカ女性はそれをはるかに上回る長身で、ハイヒールを履けは雲衝くような大女です。
圧倒されたと思います。

その沼氏が憧れた最高の女性はエリザベス女王の長女のアン王女でした。
「大日如来アン王女」とまで言って崇めてました。
(でも「大日如来」って何?ww)
沼氏から見たら、単なる年下の若い白人女性ではなく、ロイヤルファミリーのお姫様、しかも乗馬競技でオリンピックに出場した超が付くスーパーレディーです。
ひれ伏したかったのも頷けます。

実は、そのアン王女にお会いしたことがあります。
自分が所属しているある団体の名誉会長をお務めでいらっしゃるので、さる会合のレセプションでご挨拶させていただきました。
もっとも、自分が直接会話したのは、隣にいたご夫君の方ですが。

一番感動したのは、王女殿下(ハー・ロイヤル・ハイネス)が壇上でご挨拶のお言葉を述べられた後、大理石の階段を降りてこられた時のことです。
イギリスでは、王室のメンバーが挨拶をされた後に拍手をしてはいけないことになっています。
拍手は目下の者に対するねぎらいの意味があるからです。
シーンと静まり返った中で殿下のハイヒールの靴音が響き渡りました。
人生で聞いた中で一番大きく、有無を言わせぬ迫力を持ったハイヒールの響きでした。
きっと、沼氏なら感涙を流したことでしょう。

文才では沼氏の足元にも及ばぬ自分ですが、この経験だけは沼氏を超えたかなと、誇りに思ってる次第です。

追記:正三の正の字が間違ってましたね。恥しい。

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