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水素とアンモニアそして人工光合成

こんにちは。住環境アドバイザーのMadayoです。

今、地球環境の異常をニュース等で知る機会が増えています。ヨーロッパや北米では46℃にまでなった熱波による森林火災や、イタリアの氷河が溶け出して大規模な雪崩が発生したりと異常現象が日常的に話題になりつつあります。若しそうなってきたら、それは異常ではなく日常=普通になり、そうなったら温暖化になる前の地球環境には戻れなくなるような気がしてとても不安です。一日でも早く温室効果ガスの排出をゼロにする必要があります。そう思いませんか?

温暖化を防ぐための燃料の切り札として水素は筆頭に挙げられます。その水素は作られ方によって、ブルー、グレー、グリーンの3つに分けられますが、もうひとつイエロー(ないしはピンク)が加わって、今4つに分けられています。

ブルー水素とは天然ガス等の化石燃料から水素H2を取り出したもので、取り出すときにどうしてもCO2が同時に発生します。価格的には現在一番安く作り出すことができます。エネファームはこの方法を使っています。

グレー水素とは、ブルー水素を作る過程で生じるCO2を回収して大気中に放出しないように、地中に埋めるなどして製造した水素です。

グリーン水素は水の電気分解などが典型例で、製造過程でいっさいCO2を発生させないで作られた水素で、今はこの方法が一番コスト高です。しかし理想の姿です。昨年の東京オリンピックとパラリンピックの聖火はこの水素が燃料として使われました。そして、オリンピック選手村の跡地がマンションとして販売されますが、この選手村跡地には、純粋水素のパイプラインが引かれ、各家庭にはエネファームの先を行く、純粋水素を燃料とした燃料電池が設置される予定です。

イエロー(ないしはピンク)水素とは、グリーン水素を作り出す過程で、原子力発電で生じる高温(約1,000℃)の熱を利用して製造した水素です。原子力発電は、今の日本では非常にデリケートな発電設備なので、この方法が具体 (商用) 化できるのかは難しい局面にありますが、技術的には商用化できる目処はすでにつけられています。クリーンでコスト的にもとても有利な製造方法です。イエローやピンクは原子力発電のイメージからとられたものです。

ここでもうひとつ。最近注目されているものがアンモニアです。一般にアンモニアはハーバーボッシュ法で作られて肥料などに加工されておりましたが、元素記号のNH3からもおわかりのように、C(炭素)を含みません。しかもH(水素)が3つもありますので、アンモニアは使いようによってはとても環境に良い燃料になります。

現在、ハーバーボッシュ法に代わって、低コストでアンモニアを製造する技術が商業化ベースに乗りつつありますので、コストが見合えば使いやすい燃料になることは間違いありません。

さて最後に、大阪万博が3年後に開催される予定ですが、この万博で人工光合成の技術が披露される予定です。人工光合成とは太陽の光で水を酸素と水素に分解し、空気中のCO2と合成して有機物(プラスチック等)を作る技術です。これも温暖化防止に役立つ技術として注目されています。

とにかく、現在の地球環境=温室効果ガス濃度が約440ppmを、一日でも早く化石燃料が使われる前の大気=同280ppmの状態に戻すことが必要です。このまま温暖化が進めば、どこかで元に戻れなくなります。そうならないうちに、技術を駆使して産業革命以前の地球環境=280ppmに戻すことが望まれるのです。早く早くと焦る気持ちが、Madayoの独りよがりでないことを祈りたいです。

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