還暦まじかに思うこと

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                    2019/10/11 第539号
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【還暦まじかに思うこと】

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

最近、身近な人が大腸がんの診断を受け、私の周りで2人目となりました。
1人目は、職場の健康診断で再検査の指示が出ていたのに、3年ほどたってこれはやばいかもという段階で精密検査を受け、3期の診断が下り手術。
その後抗がん剤治療も受けましたが、転移も見つかり、今は治験薬に望みをつなげています。

2人目は86歳の時に大腸ポリープの切除を行い、これで100歳までは大丈夫ですよと言われていました。7年後、便秘から嘔吐するに至り受診したところ、大腸がん末期で3か所の転移も見つかりました。

日本人の死因トップが1981年に悪性新生物となり、4人に1人(27,9%:2017年統計)がなくなる時代です。心疾患や脳血管疾患は技術の向上や新薬の登場などで救命率が上がり、後遺症もなく元の生活に戻れるようになってきました。細胞の突然変異が引き金となるガンは、高齢化に伴いこれからも減少に転じる時期はなかなか来ないと予想されます。

日本人に多いがんのうち、肺がん・胃がん・子宮頸がん・乳がん・大腸がんの5種類は集団検診として定期的に検査を受けることができます。検診は何も症状がない人が受けるもので、早期発見により早期治療に結び付けるのが目的です。
 
様々な原因が引き金となるがんですが、がんの発生に関係しているウイルスや細菌については、感染が確認できた段階で治療を開始し、がん発症前に不安要素がなくなる場合があります。胃がんの原因となるヘリコバクターピロリ菌は除菌方法が確立され、1回目の除菌(1次除菌)が失敗しても現在4回目(4次除菌)まで行われています。一方、肝がんの原因となるB型C型肝炎ウイルスは、内服薬でほぼ完治するまでになりました。

副作用が問題となった子宮頸がんワクチンは、ヒトパピローマウィルスに感染する前に抗体を作ることでがんに罹患することを防ぎます。ヒトパピローマウィルスは、子宮頸がんや肛門がん、口腔咽頭がんなどの原因となりますが、健康な女性の子宮頸部の感染率がその他の部位の感染率よりも高いため、日本では若年層の女性だけがワクチン接種の対象となっています。

年代・性別によって気にすべきがんの種類が違います。男性の場合、40歳以上では消化器系がん、70歳以上では肺・前立腺がんが上昇してきます。女性は40代は乳がん・子宮(頸部・体部)がん・卵巣がん、高齢になると消化器系がんが増加してきます。男女とも60代から急激に増加し、高齢になるほど割合が高くなり、男性が女性より明らかに高くなります。2017年のがんの死因統計で男性5位、女性3位だった膵臓がんは”沈黙の臓器”と表現され早期発見が難しく確立された治療法もありません。これからの研究・開発が待たれます。
 
今の高齢者は10年前に比べても元気で活動的です。年を取ったからがんも進行しないということはありません。高齢になると、個人差が大きくなります。
最後まで穏やかに過ごせる方もいるし、痛みを和らげる緩和ケアが必要になる方もいます。自分らしく生き抜くために、防げるリスクは回避したほうが、残された人たちにも悔いは残らないのではと思います。

半年前に胃がんで他界した同僚は、乳がんを患った経験から人間ドック(胃カメラも含む)は毎年欠かさず受けていました。検診から半年後、急に食事がとれなくなったので精密検査を受け、胃がん(スキルス性)と診断されました。診断が下ったときに手術の適応はなく、抗がん剤治療を行い奇跡的に小さくなりました。手術で胃の摘出を行えば生存期間が延びる可能性があるといわれましたが、食べなければ体力が持たないと拒否し、なくなる直前まで友達や家族と楽しく過ごしてました。最後の入院(2週間ほど)の3日前に見せてくれた笑顔が、悔いのない生き方の証として私の中に残っています。

間もなく私も還暦。いろいろな人たちの生き方を参考にしながらまた新たな暦を刻み始めようと思っています。


参考ホームページ
国立がん研究センターがん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html
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