消えゆく駅弁、復活する駅弁

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                    2019/07/05 第525号
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【 消えゆく駅弁、復活する駅弁 】

こんにちは。駅弁アドバイザーのahotsukaです。

まずは、また歴史と伝統ある駅弁が消えてしまったというニュースから。美濃太田駅(岐阜県)の調製元である向龍館が5月末で廃業してしまいました。
美濃太田駅は数少なくなった駅弁の立ち売りが続けられてきた駅(筆者の知る限り、今でも残っているのは熊本県の人吉駅・福岡県の折尾駅くらいです)でもありましたので、立ち売り文化がまた1つ失われたことにもなります。

https://www.gifu-np.co.jp/news/20190602/20190602-143595.html (岐阜新聞Web 2019/6/2より)

記事ではロングセラーの「松茸の釜飯」が取り上げられていますが、以前は舟の形をした陶器を使った「舟弁当」や、陶器の手おけにちらし寿司を詰めた「ちらし寿司ておけ」も販売されていました。筆者は「ちらし寿司ておけ」を食べたことがありますが、お寿司はおいしいし陶器の手桶がとてもかわいらしく、いまでもたまに自宅で使ってみたりもします。駅弁好きとしては、とてもさみしいニュースとなってしまいました。

一方で、復活した駅弁もあります。博多駅(福岡県)のかしわめし。博多駅は以前は博多駅構内営業(屋号・寿軒)という調製元が駅弁を販売していたのですが、2010年に廃業。その後は小倉駅の北九州駅弁当や折尾駅の東筑軒、出水駅の松栄軒などの駅弁は売られていたものの、博多駅固有のルーツを持つ駅弁が存在しない状態が続いていました。(今の大阪駅や京都駅と同じような状態ですね)。

そんな中、博多駅の「かしわめし」が、寿改良軒という調製元によって復活したというニュースを目にしました。

https://mainichi.jp/articles/20190105/k00/00m/040/061000c (毎日新聞 2019/1/5より)

寿改良軒は広島駅の調製元である広島駅弁当によって設立。以前のレシピとは異なるものの、寿軒の暖簾を引き継いで博多ならではの駅弁として復刻させたそうです。筆者も早速食べてみましたが、まずごはんがおいしいし、かしわ部分はものすごく身が引き締まっていて独特のおいしさがありました。
かしわめしは東筑軒・北九州駅弁当・中央軒(鳥栖駅)なども販売している九州の定番ですが、新たに有力な選択肢が加わったという印象です。

広島駅弁当の駅弁はパウチされていることが多く、個人的にはあまり好みではなかったのですが、この「かしわめし」は別格だと思います。何よりも駅弁文化の灯を守る取り組みをされている(撤退した小郡駅弁当の「ふく寿司」も引き継いでいるとか!)のは本当にすばらしく、個人的にも応援したいと思っています。

寿改良軒の「かしわめし」は博多駅の中央改札口外や新幹線改札内、そして小倉駅の新幹線改札内でも販売されているとのこと。博多に行けば「かしわめし」で決まりですね。

美濃太田駅の駅弁もいつか復活してくれないかな…などと希望を抱きつつ。名古屋の松浦商店とかだるまあたりがなんとかしてくれないかな…。=============================================
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