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流れる言葉は生きている

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                    2020/11/06 第595号
        ☆★☆ TIPS通信 ☆★☆
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【 流れる言葉は生きている 】

こんにちは。くらし活き活きアドバイザーの晴兵衛です。

最近、気になることがある。それは、若者が使う言葉や、ネット上で飛び交っている言葉などだ。
思いつくだけでも「ポチる、ググる、あざす、キモイ、バズる、タグる」など、これらにはついて行けない世界だ。これらの言葉は、私世代が使っていた現代国語辞典には載っていないので、インターネットで調べる。そうすると全てヒットし、解説まで書かれている。「ググる」は、検索するという動詞で、デジタルプラットフォーマーのグーグルからの造語。最近では、英語のgoogleも検索するという意味で使われているようだ。英語でも新しい単語が次から次へと作られている。ネット上で、メールから怪しげなサイトに誘導されて、個人情報等をさらわれるフィッシングは、てっきり魚釣りからきていると思ったが、これもスペルはPhishingと書き、昔の辞書には載っていなかった。
日本語のように、漢字、ひらがな、カタカナの三種類を使うのは世界の中でも珍しい。就中、カタカナは外来語の表現として多用され、便利さと複雑さが同居した言語だ。したがって、冒頭に書いた日本語のように、長い単語を省略して三文字にしてしまうのはいとも簡単にできてしまいます。これらもやがて、「現代用語の基礎知識」に掲載される日が来るのではないでしょうか。調べたところでは、「ムズイ=難しい」は、1980年代の現代用語の基礎知識に掲載されていたと聞く。
こんなことをつらつら書いていたら、はるか昔に聞いた外国人による日本語の弁論大会のことを思いだした。
その中で、ラオスから来た女性の話が印象的であった。彼女は、その時日本の某ホテルで研修中であったのだが、日本の若者がしばしば使う「ヤバイ!」「ヤバ~イ!」「ヤバッ!」これらがどのような場面で使われているのかを観察し、その意味を探ろうとしていた。その結果、これはあらゆる場面で使われる便利な言葉だという結論にたどりついた。レストランで美味しい料理にありついた時に、「おいしい、うれしい、優れている、びっくりした」という意味で使われているらしい。

「ヤバ」を広辞苑で引くと「不都合なこと、けしからぬこと、奇怪なこと、危険なこと」とあり、東海道中膝栗毛にも登場する言葉です。おそらく、これも起源をたどると何かの省略形かもしれませんが、これ以上は言語学者にお任せします。

ラオスの女性に話を戻しますが、「ヤバ」の本来の意味を知り、最後に日本の若者に対し「母国語に誇りを持って、正しい使い方をしてほしい」と結んでいました。
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