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サーキュラーエコノミーをご存知ですか

こんにちは。住環境アドバイザーのMadayoです。

わたくしごとで恐縮ですが、10年ほど前から、豊中市にある日本民家集落博物館で、民家解説のボランティアをしています。この博物館は、全国から民家12棟を集めて展示しており、その中の「摂津能勢の民家」の歴史や構造について来客者に解説をしています。

この建物では、昭和の半ば頃まで、いわゆる里山の生活が実際に営まれていました。屋根は茅葺き、柱等の構造材は近隣の山で育った材木です。壁は竹と土。すべてがその土地で入手できるもので造られています。生活に利用する燃料は山に育った材木や落ち葉です。食材も田畑で採れた作物が利用されていました。あらゆるものが廃棄されることなく、循環される材料で成り立って、ヒトや家畜の排せつ物も肥料として大切に利用されており、天然ガスなどの化石燃料など皆無の生活がそこにありました。

わたしたちの今の生活は、化石燃料である天然ガスや石油を元にしたものなしには成り立ちません。そして大量生産、大量廃棄を続けてきた結果、温暖化や海洋ゴミなどの地球環境を脅かす廃棄物を生んでしまいました。この大量生産→大量廃棄を止めようという考えが、サーキュラーエコノミーで、消費生活でいえば、まさに昭和の半ばごろまで普通にあった里山の営みが見本となります。と言っても、今の私たちにそれがそのままできるとは思えませんが。

環境省は次のようにサーキュラーエコノミーを定義しています。「循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。」

わたしたちは、これまで原材料→製品→利用→廃棄というリニアエコノミー(線形経済)という経済活動の中にありました。作ったものは、利用した後に廃棄することがあたりまえの消費生活でした。繰り返しますが、それが大量廃棄を生み、環境問題を引き起こしてきました。これからの私たちは、その反省に立って、原材料→製品→利用→リサイクル(+原材料)→製品・・・という循環型で、できる限り廃棄を無くす消費生活を行う必要があると思います。今後、さまざまなシーンで、この取組に基づいた製品に接する機会が増えるでしょう。私たち消費者は「廃棄しない生活」を意識することになるでしょう。

参考資料
・日本民家集落博物館
 http://www.occh.or.jp/minka/
・環境省(サーキュラーエコノミー)  
 https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.htmll

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