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どうするCOVID―19ワクチン

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                    2021/02/12 第609号
        ☆★☆ TIPS通信 ☆★☆
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【 どうするCOVID―19ワクチン 】

こんにちは。健康生活アドバイザーのだんごママです。

COVID-19蔓延のために自由な行動できない中、ワクチン接種が現実味を帯びてきました。安全性や有効性に対して不安がぬぐえない状況ですが、ワクチンついて少しお話させていただきます。

そもそもワクチンとは、身の回りの細菌やウイルスによって引き起こされるさまざまな感染症を防ぐために、最も有効な手段として利用されている予防方法です。大まかには生ワクチンと不活化ワクチン、トキソイドがあります。生ワクチンは、細菌やウイルスを弱毒化し、その菌による病気にかかった状態と同じ免疫を得ることができます。不活化ワクチンは病原性をなくした細菌やウイルスの一部を使うため、生ワクチンに比べると免疫が付きにくく、何回かに分けて接種することで重症化を防ぎます。トキソイドは細菌の作り出す毒素を取り出し、免疫を作ることはできるが毒性はなくしたものです。

いま世界中で開発研究されているCOVID-19ワクチンは200以上あると言われています。大きく分けると7種類のアプローチの仕方に分けられます。
1. 弱毒化ワクチン
2. 不活化ワクチン(シノファーム社:中国)
3. 組み換えタンパク質ワクチン(塩野義製薬)
4. ウイルス用粒子ワクチン
5. ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社)
6. DNAワクチン
7. RNAワクチン(ファイザー社・モデルナ社、第一三共)
開発までに5年から10年かかるといわれていたのに、ウイルスが同定されてから1年足らずで実用段階まで進むことができたのには理由がありました。

遺伝子解析のスピードアップもさることながら、SARSやMERSウイルスの研究が続けられてきたことです。コロナウイルスの宿主細胞上の特定の受容体にのみ結合するスパイクタンパク質の基本的な構造がわかっていたため、正確な塩基配列が発表され一気に開発が進み、45日後に第一層の臨床試験が始まりました。脂肪の膜に閉じ込められたメッセンジャーRNA(mRNA)をワクチンとして接種すると人の細胞が取り込み、mRNAをもとにスパイクタンパク質を合成します。スパイクタンパク質を免疫細胞が覚え,COVID-19が侵入したときに総攻撃を仕掛け、重症化する前に抑え込むのです。

諸外国で実際にワクチン接種が始まっています。インフルエンザなどの予防接種でも知られている注射部位の発赤や痛み、倦怠感、頭痛、アナフィラキシーなどの副作用が報告されています。今回のmRNAを用いたワクチンは経験がないため遅延性の副作用についてはまだ報告されていません。日本では安全性を求める声が高く、医療関係者でワクチン接種を受けないとアンケートに答えた人が40%近くになったと報道されています。私は、病院薬剤師をしています。麻薬や劇薬・毒薬を扱うためセキュリティーが厳しく、窓のない三密の環境下で仕事をしています。薬剤部の中で一人コロナの陽性反応が出れば全員濃厚接触者となり、院内の薬の流れが止まってしまいます。コロナに感染しても無症状である保証もなく、後遺症で今までとおなじ生活が送れなくなる可能性もゼロではないことを考えると、接種できる状況になれば受けるつもりでいます。有効な治療薬がなく、対処療法で体力の回復を待つだけの状況下のワクチン接種は、自由に行動できる生活に戻る最善の方法だと思っています。

■参考サイト
厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html
日本RNA学会: https://www.rnaj.org/
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