お買い得の球根

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                    2019/09/20 第536号
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【お買い得の球根】

こんにちは。商品価格アドバイザーのカエルです。

彼岸花の咲く季節になりました。今年も田んぼのあぜ道などに密生している彼岸花をご覧になった方も多いのではないでしょうか。

彼岸花を「不吉だ」とか「気味が悪い」とかいう人もいるようですが 、私は以前からあの燃えるような赤い色と複雑な花びらの形が大好きです。我が家の庭の片隅には、近くの農家の方から分けていただいた数本の彼岸花が、毎年花を咲かせます。

彼岸花はユリやヒヤシンスと同じように球根なのですが、今までその球根を売っているのを見かけたことがなく、また、積極的に探そうとしたこともありませんでした。ところが先日、思わぬところで彼岸花の球根に出会ったのです。

8月に鹿児島を旅行し、指宿の宿でいただいた和食の膳には大きなラッキョウ漬けが添えられていました。普段ウチで食べているラッキョウの二倍くらいの大きさのそれは、聞けばその宿の自家製だということでした。西郷さんのお膝元はなんだかスケールも大きいなぁ、と妙に得心しました。

翌日、薩摩半島の最南端に突き出た岬、長崎鼻を歩いていて、お土産物屋さんの店先にふと目をやると、とても大きなラッキョウが、土付きのままで売られていたのです。「あ、昨日の夕食のと同じラッキョウだ!」と思い、店番をしているおばあちゃんに「この地域のラッキョウですか?大きいですね」と声をかけると「ヒガンバナの球根よぉ~」。

え、ラッキョウじゃないの?ソックリやん、と戸惑いながらも、「赤じゃなくて黄色と白色の珍しいヒガンバナ、3個で500円、おまけしてあげる」という言葉に乗せられ、黄色と白色の球根を取り交ぜ、あわせて1,000円を支払いました。

旅行から戻り調べてみると、いろんな品種の彼岸花の球根がネットで売られています。園芸店の通販や、シェアリングサービスのサイトでも。それにしても3個500円はやはり安い。おまけもしてもらったし、送料も要らないし。

彼岸花は曼珠沙華やリコリスとも呼ばれますが、学名がLycoris radiata(リコリス・ラジアータ)というヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。中国が原産のようですが、いつどのように持ち込まれたのかなど、詳しいことはわからないようです。根に毒があることから、真紅の色とあわせて不吉なイメージに繋がるのかもしれません。

玄関脇の小スペースの土をスコップで掘りおこし、球根を丁寧に植えました。来年、黄色や白色の彼岸花が秋の訪れを知らせてくれたなら、本当にお買い得です。
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