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コーヒーの新しい世界「嫌気性発酵」

こんにちは。消費生活のウソ・ホントを考えるアドバイザーのゆうりんです。

数年前からコーヒーに懲り始めました。それまでも好きで飲んではいましたが、近所に豆を焙煎してくれるお店ができ、店主とやり取りするうちに、よりおいしく飲むことに目覚めたのです。

一から勉強するために、お店が開催したコーヒー教室にも参加してみました。入れ方はもちろん、豆の産地やその特色、道具の特徴や選び方などコーヒーに関することをトータルに教えてもらい、コーヒーへの興味が深まりました。

そうなると道具も買い替えたくなって、ドリッパーやケトルも一新し、豆を挽くミルも手動のものをいろいろ使った挙げ句、電動の本格的なものを買ってしまいました。焙煎に合せて粗挽き、細挽きなど挽き方を細かく変えることができます。挽き具合によって味が大きく変わることも知りました。

アイスコーヒーもそれまでは市販のものを買っていましたが、家で水出しすることに。水出しには2つの方法があります。浸漬(しんし)式と滴下式です。前者は水の中に粉を浸して抽出し、後者は粉に水を一滴一滴落として抽出します。両方試してみましたが、私は断然滴下式の方が好みでした。驚くほど良い香りのアイスコーヒーが出来上がり、市販のものには戻れなくなりました。器具も高くなく、時間がかかる以外は手間もかかりません。アイスコーヒー好きの方はぜひ一度試してみてください。

自分の豆の好みがわかってくると、どうしても同じような豆ばかり選んでしまいます。そこで最近は店主にお任せで買うことも増えました。そうすると珍しいコーヒーに出会うことができます。「嫌気性発酵」の豆もその一つです。

「嫌気性発酵」とは、その字が表すように空気を抜いて発酵させたものです。通常コーヒーは空気にさらされ、酸素に触れながら発酵します。ところが中には酸素がないところで活動的になる酵母やバクテリアがいるため、それらの発酵を促すためにこの手法が取り入れられました。ワインではよくみられる手法なので、そこからヒントを得たのかもしれません。

通常発酵とは違った味わいやフレーバーが出てくることから、今注目されています。豆の袋を開けたとたん、強い香りが漂い、一口目から飲んだことのない味わいが広がります。これまでのコーヒーとは明らかに違うフレーバー。これ以上伝えられないのが残念です。

この発酵法はコーヒーでは新しい手法なので、どんな味わいのものが出てくるか未知な部分が多いといいます。私もその後、別の種類の嫌気性を飲んでみましたが、前回のような癖の強みは少なくまろやかでした。これからさまざまな味が生まれてきて、コーヒーの味わいを深めてくれることと思います。

新型コロナやウクライナ侵攻、家畜の病気など予期せぬことが続き、輸入が途絶えた食品も出てきました。コーヒーも品質管理がしっかりしているスペシャリティーコーヒーが、今後は入りにくくなるともいわれています。すでに値段もかなり上がっていて、いつまでこのように楽しめるのだろうと心配になります。味わえる今を大切に、今日も一杯のコーヒーを丁寧に入れようと思います。

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