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水回りの「レスキューサービス」で高額請求被害

こんにちは。旅のアドバイザーのさくらです。
今回は旅の話はお休みにして、水回りの「レスキューサービス」での消費者被害について書きます。

突然「トイレが詰まった」「洗面所の水が止まらない」などの水回りのトラブルが起こったら、焦って修理業者(暮らしのレスキューサービス)を呼んでしまいがちです。しかし予想以上の高額な請求をされるケースが増えています。

【事例1】トイレの給水ホースから水が漏れているのに気づき、ポストにマグネット広告が入っていた業者に電話したら、高くても2~3万円というので修理を依頼した。状況を見てもらうと「給水管にひどい錆びがついている。このままにすると数百万円の修理が必要になり大変なことになる。修理代は錆び落としに10万円、部品交換に5万円」と言われた。高額だと思ったが不安になったのでその場で契約した。作業料15万円はクレジットカードで支払った。
【事例2】夜遅く賃貸マンションのトイレが詰まり、水が溢れてきたので、慌ててネットで検索した。「水回りの修理950円~」と書かれた全国展開の業者に電話したら担当者が2人来た。10分ほど作業をしたあと、便器を外して排水管を高圧洗浄する必要があると言い、機械を持ってきて作業をした。詰まりは取れたが、長年の汚れが蓄積しているので再発防止のため特殊な洗浄をした方が良い、追加料金がかかると言われた。他の入居者に迷惑をかけてはいけないと思い、夜も遅かったので、人件費や夜間料金等を含め50万円の契約をしたが、あとで考えると高額だと思う。

事例のような被害に遭わないためには、どのような対策ができるでしょうか。
■トラブルに遭わないための備え
1.日頃から信頼のおける事業者の情報を収集する
・戸建住宅では住宅メーカーや施工業者に、賃貸住宅では管理会社や大家さんに、分譲マンションでは管理会社や管理組合に、緊急時の対応を事前に相談しておくと安心です。
・賃貸契約の付帯サービスとして、住まいのトラブルをサポートしてくれるプランに加入している場合があります。サポート窓口の連絡先などをメモしておきましょう。
・自治体の下水道関連部署のホームページに、相談窓口や下水道排水設備指定工事店が紹介されています。地元に根付いた事業者が多いので事前に確認してみましょう。

2.自分で応急処置ができるように構造を知っておく。
・トイレに詰まった水をラバーカップで真上から数回上下させると解消することがあります。ラバーカップはホームセンターなどで購入できます。
・上水の水漏れの場合、給水管の上流にある止水栓を時計回りに閉めると水が止まります。止水栓が分からない場合や硬くて回らない場合は、家全体の元栓を時計回りに閉めて給水を止めます。
・休日や夜間などにトイレが詰まり、緊急で修理業者を呼ばなくてもいいように、非常用の簡易トイレを備えておくのも一案です。災害時にも役立つので一石二鳥です。

3.トラブルが起こると、焦って冷静な判断ができなくなります。まずは自分で2の応急処置を行い、落ち着いてから1で探した事業者に相談しましょう。慌ててマグネット広告の事業者や、ネットで安い値段を提示している事業者に修理を依頼するのは危険です。

■修理業者を選ぶ
・いきなり修理を依頼せず、まずは見積もりを出してもらいましょう。複数業者から見積もりを取り、作業内容や料金を確認し比較します。見積りのみは有料か無料かの確認も忘れずに。
・インターネット上の広告の金額表示を鵜呑みにしない。トイレの詰まりや水漏れは、発生原因や必要な作業が一様ではなく、現場の状況次第では広告や電話での説明通りの料金で修理できるとは限りません。広告に記載された「水回り修理基本料金××円」「水回りの修理△△円~」などの安価な価格に飛びつかないようにしましょう。

■トラブルに遭ったら
・作業終了後に高額請求を受けた場合は、後日払う意思があることを伝え、その場ではできるだけ払わないようにします。
・不安を煽り、高額な追加料金を提案されたら、勇気をもって作業を断わりましょう。一人暮らしの女性や高齢者が、事業者が怖くて断れなかったというケースも多いようです。もし身の危険を感じたら、迷わず警察を呼びましょう。
・契約書等を用意して、早めに消費生活センターに相談しましょう。クーリング・オフができる可能性もあります。消費者ホットライン「188」にかけて、郵便番号等を入力すると、近くの市区町村や都道府県の消費生活センター等につながります。

暮らしのレスキューサービスは、トイレの修理、水漏れ・排管等の詰まりの修理、鍵の修理・交換、害虫・害獣等の駆除などがあり、高額請求被害が増えています。トラブルが発生してからでは冷静な判断が難しいもの。平時の備えこそ一番の対策です。

■参考サイト・参考資料
・国民生活センター
「水回り修理「950円~」のはずが…数十万円の高額請求に!水回り修理、解錠、害虫駆除などの緊急対応で事業者とトラブルにならないためには?」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20211007_2.html
・国民生活センター
「トイレの修理サービスの高額請求に関するトラブル」
https://www.kokusen.go.jp/c-edu/pdf/tr_rep-t_ja_lf.pdf
・国民生活センター 「2023年版 くらしの豆知識」

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