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No.03 - 2020.01.27 -

このシリーズは、なんとなく書く日を設定している。だが、どうにもこうにも年度末進行にやられて、そうもいかなくなっている。最初に設定した日から過ぎてしまったけれど、少し一区切り付いたので思い立って書く。「No.03」としている今回、「何描こうかな〜」とApple Pencilを持ったら自然と電撃3人娘を描いていた。というわけで、今回は「映像研には手を出すな」に手を出してしまった話を。

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「3」をテーマに3色団子を描こうとしてたのに、気が付いたら電撃3人娘を描いていたのでお団子を食べていただくことにしました。(久しぶりの版権絵楽しかったです)


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タイトルは1,2巻が出た頃に知っていた。実際に手を出したのは、アニメが始まる直前のことだった。「クラタ、絶対ハマると思うからオススメだよ。」と京都を出る前にマンガ仲間のクリエイターさんに言われた。けれど、当時は人からオススメされたマンガを読む元気が無かった。マンガ好きとしてはあるまじきことであるけれど、どうにもこうにもマンガを読める体力が無かった。

そうしている内に私は鳥取に戻り、映像研に手を出さない日々を過ごしていた。というか、手を出すことを忘れていた。

職場の休憩時間に同僚と話している際に、湯浅監督率いるサイエンスSARUがアニメーションを手がけることを知った。

「ぇ、それ間違いないやつでしょ。いつからスタートなんです?」
「年明けよ。」
「まーじ。予習せな。原作、ポチッとな。」

というわけで無事に映像研に手を出すことになる。原作を読み切ったのは、アニメ開始の10分前だった。


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〜 INTRODUCTION 〜

高校1年生の浅草みどりは、アニメーションは「設定が命」と力説するほどのアニメ好き。
スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、1人では行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいた。
そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやかはいち早く気づいていた。
さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメが、実はアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある「最強の世界」を表現すべく映像研を設立することに……

http://eizouken-anime.com/story/intro/

とても好きな設定だ。どうして今まで手を出さなかったんだろうと恥じる。私はコンビ物よりトリオ物に弱い。「3人寄れば文殊の知恵」とあるように3者3様の重なりが別次元の世界を生み出していく様が好きなのだ。

「この漫画は今から動くの?漫画の時点で生き生きしているのに動くの?サイエンスSARUはどのように動かしてくるんだろう。本当にワクワクする。楽しみだ。」

私は、そこそこアニメーションの世界を齧りながら生きてきた人間だ。NHKのプチプチアニメから始まり、美大受験中は「絵の勉強だ」と言ってレンタルビデオ屋でアニメを貪っていた。在学中も制作する機会があったし、アニメーション好きだから話せる人達もたくさんいて「アニメ好きで良かったー!」と思うことは多々ある。今でもtwitterの作画botを定期的に眺めて生きている。

そんな自身の背景もあり、映像研の世界というのは、自分にとって近しいものだけど現実に起こり得てない状況だ。あぁなりたかったけど、どこかあぁなれていない自分。彼女達に憧れさえ抱く。モノづくりに夢中になり、のめり込む様を紙面で感じてパワーを貰う。

開始直前に読み進めていたが、あまりの面白さにページを捲るのが止まらず4巻までイッキ読みしてしまった。そしてその後に観た第1話というのは、想像以上の何千倍も面白くて、とにかくよく動いていた。


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私は映像研のような高校生活は送っていないし、進学した美大でも制作という場面で同期内であのような熱量になったことは無い(別のプロジェクトではあったような、同期よりも先輩後輩とはそんなこともあった、かもしれない)。

ただ面白いもので、社会人になってから時たま、映像研のような人達に出会っていて、その時々で映像研のような状況にはなる。うん、社会人になってからの方が多いかも。自分を出せたり任されたりする場面が増えたからだろうか。

その場合、いずれも制作だったり、自分の分野に対して真摯で好きだという思いが強いように思う。後、目の前の相手に対しての信頼と互いのモチベーションを上げる術があるようだ、と往々にして思う。(ちょっと揺らぎで信頼が消えたりせず、消えそうになっても全力でコイツはカバーしてくるという謎の期待がその人達にはある。だから、時々で怖気付いて弱音を吐いても全力で応えたいと思うのだ。)

有り難いことに鳥取に戻ってからもそういった仲間が数組あって、時々でコミットの仕方も熱量も違うんだけど、全部に対して「何かやってやろうぜ」感を持ちながら過ごしている。映像研を観ているとそんな気持ちが沸々して、起きたら仕事に行かなきゃいけないのに「よーし、がんばろう。」ってパワーを貰える。そんな日曜深夜のテレビアニメなのだ。


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今日まで第1〜4話まで放送している。第4話の放送直後、作者の大童さんは、このように呟いている。

原作を読んでいる私からすると、彼女達が作ったあのアニメをサイエンスSARUがどう動かしてくるかは、本当に楽しみだった。そして本当に素晴らしい動きだった。数分のアニメーションにあんなに魅入ったのは久しぶりだった。

そんな映像研は、今月末に最新巻5巻が発売するし、アニメは次回放送の5話直前に1〜4話の一挙放送があるんだ。

まだ全然間に合うぞ!とにかく追いついてくれ!!

もちろんアニメーションもよく動いて面白いが、彼女達の世界に触れて、やりたいことにのめり込む様からパワーをもらおう。そしたらまた少しずつやっていけるはずだから。


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青い春は何歳になっても始まるので、「今から、だなんて」って躊躇することは無い。

タイミングが合えば、巡り巡ってどんどん繋がっていくので、その時に怖気付かずに乗り遅れないように、楽しめる心と余白を持っておくのが良いのだと思う。

情熱を持ち続けることは難しいかもしれないけど、その2つを忘れなければ、情熱もすぐに復活するよ、と。いろいろ経験した中で思うし、まだまだ経験不足。

楽しむにはまだ飽き足りない世界だ。


いただいたサポートで本を買ったり、新しい体験をするための積み重ねにしていこうと思います。