見出し画像

石原路子さんのテディベアによる、フェルメール作「地理学者」の再現〜青いテディベア達によるチームプレーと、益子焼の地球儀の優美さ〜

フェルメール作「地理学者」は、海洋国として繁栄したオランダの黄金時代を象徴した作品です。机の上に海図を拡げてデバイダーを手にする地理学者が、ふと手を休め、海図から視線をはずし、思考を深めている瞬間が描かれています。

地理学者が着ている青色の衣装は、東インド会社が日本からもたらした着物です。棚上の地球儀が、大航海時代に地球の裏側である、中国、日本に向かい、地理的発見に沸いた当時のオランダ社会を想起させます。*

画像1

フェルメール作「地理学者」(1668-69)シュテーデル美術館蔵1)

再現にあたっては、石原路子さんによる青い2体のテディベアに出演したもらいました。

青い着物を着た地理学者は、大きい方のテディベアに演じてもらいました。テディベアが右手に持っているデバイダーは、本物の製図用具です。

机に掛けてある青が基調の布は、小さい方のテディベアが友情出演して、表現してくれました。

地球儀は、郡司庸久・慶子夫妻による、益子焼のティーポットで置換しました。ティーポットは、正円に近い優雅な造形が美しい逸品です。

画中絵は、オランダ土産のタイルです。

画像2

この空気感はいかがでしょうか?

テディベア達のチームプレーと、益子焼のティーポットの優美さに感じ入ってもらえたら、嬉しいです。


引用文献

1)朝日新聞出版・編:フェルメールへの招待. 朝日新聞出版, 2012. P61

IMG_3441のコピー5



番外編

引き続き、石原路子さんによるテディベアに、フェルメール作品を演じてもらいます。取り組むのは「地理学者」と対になる作品「天文学者」です。

画像4

フェルメール作「地理学者」(1668年)ルーブル美術館蔵2)

天球儀は、アートスペース・テトラヘドロン代表、平田京子さんによる毛糸の針山です。黄色と青のフェルメールカラーが美しい作品です。天球儀が置かれた机は、はらぺこうつわ、こと、山本薫さんによる青い鳥をモチーフにした器です。

画像5

この空気感はいかがでしょうか?

テディベアの熱演を楽しんでもらえたら、嬉しいです。


引用文献

2)朝日新聞出版・編:フェルメールへの招待. 朝日新聞出版, 2012. P60

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?