亡き愛猫との再会〜北野礼子・作品と喫茶ウエダの物語
過日、倉敷白壁通りの、アートギャラリー・ビョルンを訪れた時、作品を製作中のクリエーター、北野礼子さんに初めてお会いしました。ギャラリー内には北野さんの作品も何点か展示してあり、その中に「モモ」という題の猫の絵がありました。
極細のシャープ・ペンシルで緻密に描き上げた作品で、観ていると額の中の世界に引き込まれそうな吸引力があります(この吸引力が北野作品の特徴です)。
「モモ」とは、倉敷本通り商店街の喫茶ウエダで飼われていた看板猫で、お店を訪れた北野さんが丹念に写生した作品だそうです。
モデルとなった猫のモモさんは、2019年7月7日に亡くなっていましたので、今では在りし日の姿を伝える,遺影とも言える作品です。
この作品を是非とも、愛する人の元に届けなければ!
早速、計画を思い立ちました。
2021年8月12日、仕事を終えて閉店間際の喫茶ウエダを訪れました。店内には、まだ、常連さん達が大勢いました。
「ママに逢わせたい人を連れてきました!」と告げ、ママの前で作品を掲げました。
ママと娘の、なおみさんは、すぐに、「モモちゃんじゃないの!」と気付きました。「お盆だから、帰ってきたのかしら・・」。ママは涙声です。
ママとモモちゃんとの記念撮影をすることになり、心優しい常連さん達は、カメラの後ろに控えくれて、ママとモモちゃんとのツー・ショットが実現しました。
ふたりはもう離れないんだろうな・・。
筆者にとっても、とても幸せな仲介者になれた瞬間でした。
追伸
絵は今、喫茶ウエダの店内に飾られて、安住の地に落ち着きました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?