岡山県立倉敷中央高校看護科

阪急電車の車内です。宝塚音楽学校は、2年制で、一学年の定員が40名です。みんな、宝塚の舞台に立ちたいという同じ夢を描いているので、あとは色を塗るだけなのですね。

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岡山県立倉敷中央高校看護科は岡山の宝塚音楽学校です。岡山全県から集った一クラス40名の生徒達が、看護師になるという同じ夢に向かって、助け合って学んでいます。

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追伸

《以下は、倉敷中央高校看護科の戴帽式の際に、祝辞として述べさせていただいた内容の主旨です》

倉敷リハビリテーション病院は、倉敷中央高校看護科との信頼関係の基づいて、多くの卒業生を採用しており、現・看護スタッフの過半が卒業生です。当院が、卒業生の採用に積極的なのは、同校が、「愛を与える人」を養成する学校だからです。

愛を受けた者は、愛を与える存在になります。そのような尊い存在に、盲導犬の生き方があります。盲導犬は、目の見えない人達のためにその生涯を捧げるような生き方をします。何故そのような献身ができるのかというと、子犬の時にパピーウォーカーという、ボランティアの家族のもとで、愛情いっぱいに育てられ、人間に対する親しみと信頼感を持つからです。

同校の卒業生は、多くの愛を受けて育っています。倉敷中央高校に入学する前は、両親をはじめ多くの人達から愛を受けてきたでしょう。入学後は、恩師の先生から多くの愛を受けます。戴帽式ののち、皆さんは医療の現場へ看護実習に赴きますが、そこで多くの困難に遭遇することでしょう。そんなときは、現場の先輩達が助けてくれますし、学校の先生達がサポートに駆けつけてくれます。そのような多くの慈しみに育まれた学生は、皆、愛を与える存在へと成長します。そんな人達を是非、私たちの仲間に迎え入れたいと願っています。


追記

盲導犬の献身の深さは、想像を絶します。盲導犬は、自分の身体を生きるのではなくて、主人の身体を生きます。盲導犬は自分が通れる場所でも、主人が通れない場所は決して歩きません。訓練によって、自己の身体イメージが、主人のものに入れ替わっているからです。

世の中には、両親や周囲の大人から愛を受けられずに育った人達がいます。でも、人生の途上で、誰か一人でも、本気で気にかけてくれる人と出会えたら、その人は、やさしい目をした、愛を与える存在になります。その唯一の人は、今を生きている人とは限りません。故人が遺してくれたものからも、国や時代を超えて、愛を受け取ることができます。戴帽式は、看護学生にだけ与えられた、偉大なる先人の精神を両手で受け取る機会です。


追記2 愛を受けた話

今、病棟の指導的な立場で働いている看護師、Mさんの話です。Mさんは新人看護師のころ、いわゆる、やんちゃな存在でした。

そんなMさんが、自分自身の生活を律することができずに、寝過ごして、深夜勤務をすっぽかしてしまったときのことです。病棟の看護師長から、電話で起こされました。Mさんが情けない気持ちでいると、師長は「気をつけておいでよ」と気遣ってくれたといいます。そんな愛を受けたから、Mさんは今まで看護師を続けてこられたのだとか。

愛を受けた者は、愛を与える存在になる、という実話でした。









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