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今村光彦さんと切り絵の秘密

画像は、倉敷・苑工房の作品「シュウメイギク」です。自然の花をそのままアクセサリーにしたものです。自然の色彩は、通常、グラデーションを伴って、連続的に移り変わって行きます。ところが、シュウメイギクでは、花びらの一つ一つの色が違っていて、隣の花びらへ色彩がジャンプします。

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苑工房作「シュウメイギク」

この色彩のジャンプは、切り絵に通じる世界です。切り絵の色づけは、色画用紙を用いるので、色彩が限られた数しかなく、色彩がジャンプして移り変わります。

写真家で切り絵作家の今森光彦さんは、自身の作品を紹介するトーク会で、切り絵では色彩が部分・部分で、パッ・パッと移り変わって、アニメーションのような動きが出て、見て楽しい、と述べられていました。

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今村光彦・作:ヘレノールモルフォとハマユウ  ハチドリとトケイソウ *

今森さんの切り絵作品を見ていると、蝶や小鳥や花々や葉に動きと生気とが感じられます。シュウメイギクも、自然が作ったアニメーション効果で、たとえアクセサリーになっても、躍動する生を感じさせてくれます。


*今村光彦著:Aurelian, 株式会社クレヴィス, 2015. p86・87より引用

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