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フェルメール作品を観に行ってきました〜フェルメールと むらいゆうこ さんとのつながり〜

フェルメール作品が、大阪にやって来ました。ドイツのドレスデン国立古典絵画館所蔵の「窓辺で手紙を読む女」です。大阪市立美術館で開催されていた「フェルメールと17世紀オランダの絵画展」の最終日が近づいていたので、台風が東日本を直撃し、東海道新幹線は止まっていましたが、大阪行きを決行しました。当日は幸いにして、山陽新幹線は新大阪まで折り返し運転をしていました。

岡山から新大阪に到着すると、大阪は晴れていました。会場の大阪市立美術館の前に立つと、背景に大阪のランドマーク、あべのハルカスが覗いています。

大阪市立美術館(大阪市天王寺区)

そのまま振り返ると、大阪のスカイツリーが見えました。

通天閣

台風の影響のためか、入場者は比較的少なく、週末の土曜日にもかかわらず、入場制限は、なくなっていました。

今回の注目点は、作品「「窓辺で手紙を読む女」の科学調査によって、フェルメールが描いた画中画が、後の時代に上塗りされ消されていたことが判明したことです。

修復後のフェルメール・作「窓辺で手紙を読む女」1)

絵は、フェルメールが当初描いた姿に修復され、この度来日を果たしたのでした。

修復後のフェルメール・作「窓辺で手紙を読む女」 1657年 ドレスデン王立絵画館・蔵2)

修復によって、手紙を読む女性の背後の壁には、黒い額縁に収められた、愛の神キューピッドが顕れました。

修復前は、静謐な内省的な作品だと思われてきたものが、一転、寓意に満ち満ちた、警句を発する、ちょっとうるさい作品に変貌していました。

妄想するに、実際のフェルメールは、かなりおもしろい人だったのに違いありません。

作品を観て思い出したのが日本画家の、むらい ゆうこ さんです。先日、岡山県玉野市のサンコアで開催された二人展「ヨシダコウブン むらいゆうこ 海より秋が生まれる日」の会場でご本人にお会いしました。

むらいさんは日本画の手法を使って独自の作品を制作されています。その世界は、寓意に満ちていて、現実と異界が絡み合っています。

一作品を紹介します。

むらい ゆうこ・作「温室ポスト」3)

むらい さんは、知的で、しかも、乗りがよい、おもしろい人でした。あまりにも印象的だったので、むらいさんが在廊しているときに二回訪れました。

フェルメール作品と同じく、ちょっとうるさいのが、クセになる感じで、なんか、とてもいいです!

文献
1)シュテファン・コーヤ・他 著(高城靖之・他 編):ドレスデン王立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展. 産経新聞社 フジテレビジョン, 2022. P230

2)   同P202-208

3)むらい ゆうこ 画・文:二十五時の植物園. 2006. 


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