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榊原祐介さんによるワイヤーアート カタツムリ

倉敷・白壁通りのアートギャラリー・ビョルンで遭遇した、広島県福山市在住のワイヤーアート作家、榊原祐介さんによる、カタツムリ(でんでんむし)の造形です。殻や角の造形のみならず、移動するときの頭のもたげ方がワイヤー一本で、とてもリアルに表現されています。

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榊原祐介さんによるワイヤーアート  カタツムリ(でんでんむし)

童話作家・新美南吉(1913-1943)は、でんでんむしが、背中の殻の中に悲しみがいっぱいつまっているのに気付くという童話を書きました。でんでんむしは、さらに、だれでも背中に悲しみがいっぱい詰まっているのを知って、嘆くのをやめます。

この、でんでんむしは、体が透明なので、透明な悲しみがいっぱいつまっているかのようです。だれもが透明な悲しみをもっていて、それを背負いながら、世界をすくいとるように少しだけ頭を持ち上げて、にじるように前に進んでいるんだろうなあ・・と想いました。

※竹内整一:「かなしみ」の哲学 日本精神史の源をさぐる. NHKブックス, NHK出版, 2010. P74-80 を参照しました。



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