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スタッフ・ルームの棚に出現した国宝「松林図屏風」

下の画像は、倉リハのリハスタッフ・ルームにある、カップや水筒の置き場になっている棚で、以前から定点観察しています。ある日たまたま、暖系色のない光景に遭遇しました。

リハスタッフ・ルームの棚 一日に何度も刹那に景色が変動する。

それはまるで、水墨画の世界の様です。

・・そして、そこにはなんと、長谷川等伯の国宝「松林図屏風」が見えるではありませんか!!

長谷川等伯・作「松林図屏風」(1593年頃) 左隻 国宝 東京国立博物館・蔵*

まず、屏風の左隻です。「黒い水筒の中の一番左の水筒」、その隣の「黒の短い水筒」が左隻の濃く描かれた松の配置に対応しています。

棚の左側

次に、右隻です。

長谷川等伯・作「松林図屏風」(1593年頃) 右隻 国宝 東京国立博物館・蔵*
棚の右側

「黒いカップと、後ろの黒い2本の水筒のグループ」、「右端の黒の水筒2本」は右隻の濃く描かれた松に対応しているのではないでしょうか?

それは、集団の意図が溶け合って形成された光景で、まったく個人の作為はありません。400年余りの時空を越えて一瞬繋がり、はかなく消えて往きました。

画像上でつなぎ留めてみました。

画像を前にして、顔面から前胸部にかけて、多重世界からの放射波を感じました。多重世界の影はそこかしこに潜んでいます。


*竹内清乃・編:長谷川等伯 桃山画壇の変革者. 別冊太陽166, 平凡社, 2015, P94〜104


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