安達知江さんのガラス造形「家」
画像は、安達知江(あだち・ともえ)さんのガラス造形「家」です。
鏡野町にある妖精の森ガラス美術館で開催されていた、「安達知江・平田友美ガラス造形展(2019.7.10〜10.14)」を訪れた際に購入しました。
がっしりとして重量のあるガラスが充填された造形で、不透明な白色の躯体の中にまだらな層状のインディゴが埋め込まれています。屋根は黄色味を帯びた土壁色に焼き付けられています。
作品「家」には、風雪に動じない重量感があります。
そんな作品から、かつて観た、アメデオ・モリディアーニ・作「小さなルイーズ」が眼前に見えてきました。*
油彩画に描かれた娘は、腰に白いエプロンを着用し、インディゴのスカートを履いています。腕は太くがっしりとし、肌は赤味を帯びた黄土色です。厳しい労働に耐えてきた、ボリューム感と重みを感じます。
両者にはテーマは違えども、類似した、もの言わぬ静かな、根を張った不動性を感じました。
アメデオ・モリディアーニは、1884年イタリアのユダヤ人家庭に生まれ、パリに移住しました。はじめは彫刻家を目指しますが、健康と経済的理由で画家に転向します。ですから、彼の絵画には、造形の存在感を強く感じます。
モリディアーニは、生涯極貧のうちに、35歳の若さで結核を病み、亡くなりました。
大原美術館には、モリディアーニの代表作「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」(1919年)が所蔵されています。
安達知江さんは、1984年岡山県生まれです。なんとモリディアーニと生誕がちょうど100年違いです。
今も岡山で、鋳造ガラスの技法を使って作品を製作されています。
*兵庫県立美術館・特別展「夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ」(2014.4.12〜6.1)
1)夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ. 神戸新聞社, 2014, P139
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