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陶芸作家、岡島光則さんによる作品の紹介

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岡島光則さんは倉敷出身の陶芸作家です。京都工芸繊維大学大学院を修了後、技術者として勤務の後、陶芸の世界に入門されました。現在、倉敷市大島に工房を構えておられます。岡島さんは、いわ…
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#フェルメール

岡島光則さんの青の陶器によるフェルメール作「真珠の耳飾りの少女」の再現〜フェルメール・ブルーへの接近〜

フェルメールは寡作の画家で、現存する作品は37点しかありません。それらは全て、世界的に有名ですが、そのなかで最も人気があるのが「真珠の耳飾りの少女」でしょうか。 フェルメール作「真珠の耳飾りの少女」(1665年)マオリッツハイス美術館蔵 1) 「真珠の耳飾りの少女」は、今まで3回来日しており、筆者は、2012年に神戸市立博物館で開催されたマウリッツハイス美術館展で、本物を目の当たりにしました。作品の前で大勢の観衆が立ち止まって作品に見入る中、時間が止まり、作品から放射状に

フェルメール作「天秤を持つ女」に秘められた寓意性〜岡島光彦さんの陶器と、maruさんの猫と、藤原康彦・葉子夫妻の立体額絵による再現

フェルメール作「天秤を持つ女」*では、日常の一場面として、女性が天秤をもち、それを眺めているのが描かれています。 フェルメール作「天秤を持つ女」(1662-65)ワシントン・ナショナルギャラリー蔵 しかし、女性の背後に画中絵「最後の審判」が掲げられていることから、単なる風俗画ではなくて、寓意性を含んでいると考えられています。すなわち、「最後の審判」は、通常、大天使ミカエルが、死者の行き先を天国か、あるいは地獄か、審判を下すために、人々の魂を天秤にかける情景が描かれるので、