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矢加部徳公さんによる陶器の紹介

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矢加部徳公さんは異界性がある、独特な世界観に基づく作品を制作されています。それは、深刻さが無く、遊び心に溢れ、この世界の存在自体を、明るく問うものです。そんな矢加部さんの作品を紹… もっと読む
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ヨシダコウブンさん関西を行く

広島県福山市在住の総合芸術家、ヨシダコウブンさんは、神戸市中央区、旧居留地・大丸前のカン・フラワーデザインで、二人展「ふたつとない世界」を開催しました。カンさんによるフラワーデザインとのコラボ展でした。 ヨシダコウブンさんは異界と出会う人です。会場に隣り合っていた異界はこちら。 さらに、抽象化された異界はこちら。 仲間を大切にするコウブンさんは、京都のギャラリーで開催された小林雅子・島田恭子二人展に、応援に駆けつけました。 会場に隣り合っていた異界はこちら。 さらに

矢加部徳公さんの不思議な陶器

倉敷市本町の 「Art space 路ゞ」で不思議な陶器に遭遇しました(画像・右)。焼き物なのに南洋の樹のような質感です。 作者は、新進の陶芸作家、矢加部徳公さんです。大原美術館所蔵の、ポール・ゴーギャン「かぐわしき大地」(画像・左)に通じる世界観を感じました。 「かぐわしき大地」は、かつて、岡山出身の洋画家・児島虎次郎が、大原孫三郎の命を受けてヨーロッパに渡り、コレクションしたものです。矢加部さんは、福岡県出身で、倉敷芸術科学大学大学院を修了後、児島塊太郎・氏に師事しま

陶芸作家・矢加部徳公さんによる一輪挿しです。形は、普段見慣れた、工業デザインのガラス瓶のようです。一方で表面の釉薬は、熱帯の果実を思わせる天然の素材感に溢れています。この非日常的な人工と天然との融合が、幻のように周囲から浮き立ちます。矢加部さんからの「存在」に対する問いかけです。

矢加部徳公さんの茶碗です。チャコールグレーの肌に、漆塗りのような光沢があり、重さを感じさせる一方で、口を拡げ、器の背を抑え、オープンかつコンパクトな印象です。普通の茶碗が200gほどなのに対して150gです。不協和の群れが、驚きと不安を与え、「存在」の不気味さを問いかけてきます。