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はらぺこうつわ、こと、山本薫さんによる造形作品の紹介

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はらぺこうつわ、こと、山本薫さんによる造形作品の紹介をまとめてみました。
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造形作家、山本薫さんによるマグダラのマリア像

マグダラのマリアは、キリスト教の聖典、新約聖書において重要な局面で登場する聖女です。彼女は、イエスと出会い、我が身を悔い改めます。後に、イエスが十字架に掛けられるのを見届けます。さらに、復活したイエスに最初に出会ったのが彼女でした。 マグダラのマリアをモチーフにして多くの絵画が描かれましたが、今、最も有名なのは、カラヴァッジョによる「法悦のマグダラのマリア(1606年)」でしょう。 筆者はこの作品と2度出会っています。最初は、2016年3月に東京国立西洋美術館で開催された

カオルさん

カオルさんは、「はらぺこうつわ」の名前で活躍するアーティストです。日本三大名園のひとつ岡山・後楽園へ通じる、鶴見橋のたもと近くにアトリエ兼・店舗を構えています。 カオルさんの造形は、ゆるい中に、細部のリアルさがあるので、観ていると像の生気が胸にぐっと迫ってきます。カオルさんは、医学の専門知識は無いそうですが、人体の詳細な観察により、試行錯誤しながら、細部のリアルを再現されています。 カオルさんのお嬢さんは、ジュニアの頃、何故、自分の家には普通の食器がないの!、と、友達の家

山本 薫さんの土人形における「うなじ」の表現

日本三大名園、後楽園へ渡る鶴見橋のたもと、岡山市・出石町にアトリエを構える、はらぺこうつわ、こと、山本 薫は、味わい深い土人形の作品を作陶されています。 画像は、山本さんによる、内面に、こころを感じる女性たちです。それぞれ、もの憂げに何を想うのでしょうか? 山本さんの真骨頂は、「うなじ」の表現です。「うなじ」には、ちゃんと脊柱が造形され、表情豊かに女性たちの内面の、たくましさ、しなやかさ、を表現しています。

山本 薫さんの土人形における「うなじ」の表現〜番外編〜

画像は、はらぺこうつわ、こと、山本 薫さんによる陶土の造形、「獏(バク)」です。37cm×21cmの大作です。 伝説に登場する獏は、悪夢を食べてくれる優しい動物です。山本さんの獏は、首を傾けて一生懸命に人の悪夢を探してくれています。 この獏も、うなじの表情がすばらしく、とても素敵です。

山本 薫さんによる「膝を抱えて休む少女」の内面の違いの表現

はらぺこうつわ、こと、山本薫さんは、岡山後楽園近くの岡山市・出石町にアトリエを構えています。アトリエでは、日々、創作の楽しさを子供達や大人に教えながら、造形による繊細なこころの表現に取り組まれています。 画像の、陶土による2体の土人形は、いずれも、「膝を抱えて休む少女」です。人気のあるシリーズで、山本さんは、同じポーズの作品を何体か製作されていますが、人形の内面に宿った「こころ」は、一体々々、ずいぶんと違いがあります。 まず、側面から少女の表情を見ると、左側の少女は表情が

山本 薫さんの造形における精神性の表現

はらぺこうつわ、こと、山本薫さんは、福島県出身のアーティストです。日本三大名園、岡山後楽園近くにあるアトリエで、陶土を使った個性的な造形に、日々取り組まれています。 画像は、山本さんによる、陶土で造形された、座る女性の像です。 女性は、埠頭で海風に吹かれながら水平線を眺めているのでしょうか?穏やかな風に髪がなびき、白い衣服の袖がやわらかく揺れています。像は、素脚の細かい描写が印象的です。すなわち、足関節の内果・外果、アキレス腱、ふくらはぎの腓腹筋の筋腹、足趾、が、丁寧に、

はらぺこうつわ、こと、山本薫さんの陶人形による竹久夢二の絵画世界の再現

岡山市北区出石町にある工房では、陶芸作家の、はらぺこうつわ、こと、山本薫さんが、日々、愛情深い陶芸作品を製作されています。 山本さんの作り出す陶人形は、少しゆるい造形なのですが、妙にリアルで、魂が宿っているかのように、それぞれに内に秘めた重層的な心情が感じられます。 そんな情深い作品で、岡山出身の総合芸術家、竹久夢二の世界を再現してみました。 まず選んだのは、雪の降る江戸情緒がある街で、ぶどう色の頭巾を被って佇む女性の絵です。女性の着物には、夢二による細やかなしつらえで

早春の調べとディオーネーの泉

2022年の新年が明け、早くも1月も半ばになってきました。倉敷の花屋、アトリエトネリコを訪れると、春の使者、チューリップが入荷していました。さっそく買って帰って、はらぺこうつわ、こと、山本 薫さんの水差しに生けて、早春の調べを楽しんでみました。 花々に、山本 薫さんの陶人形を寄り添わせてみると、女神のように見えます。 画像は、花々を側面から見たところです。花々は、勢いよく、上に向かって伸びようとしています。 この構図には、既視感がありました。それは、田沢千草さんによる、ギ

岡山県赤磐市のカフェmomotoseにおいて、過日「布と暮らし展」が開催されました。会場には麗しい4人の女神が降り立ちました。左から、はらぺこうつわカオルさん、nikiみちよさん、icegreenあこさん、momotoseみっちぃさん、です。まるで香り立つ水仙の花園の趣です。

最近仲間に加わった森博敬さんの「月占い」と、三宅智之さんのシロクマと、山本薫さんの水差しです。月占いは3つの宝石で1週間の運勢を占います。水差しには3本のチューリップを生けました。3要素のある3作品で調和のとれた美しい世界ができました。3にまつわるシンクロニシティにびっくりです!

アトリエKoさんの流木の椅子を介した海と空との共演〜3人のアーティストによる協演〜

流木作家のアトリエkoさんは、過酷な肉体労働の傍ら、長い旅の末に海岸に流れ着いた流木を慈しみ、流木に新しい命を与えます。 そんな、アトリエkoさんの、新作の椅子ができました。座面のクッションが分厚くて、ふかふかな感じがよく出ています! はらぺこうつわ、こと、山本薫さんによる陶人形「少女」に座ってもらうと、大きくて、ゆとりがあって、少女はとても気持ちよさそうです! 山本薫さんの陶人形「大人の女性」に座ってもらうと、大きさがぴったりです! つま先が、丁度、地面に着く、絶妙

ひっぱりだこ・さんの雪だるまのお引っ越し

ひっぱりだこ・さんは、広島県福山市在住の2人組のクリエーター・ユニットです。 ひっぱりだこ・さんによる5体の雪だるまは、冬の間、倉敷の「カフェ&ギャラリー青い鳥」に滞在していました。 春が来て、根雪が融けたので、5体は南半球に引っ越すことになりました。 引っ越しに使う乗り物は、はらぺこうつわ・山本薫さんによる青い鳥の器です。 全員乗り込んだので、さあ、出発です。 わくわくしながら新しい土地を目指します。 到着しました。 5体の雪だるまは、11月まで南半球で過ごし

ヨシダコウブンさんの造形作品と京都大原三千院・阿弥陀三尊との表現の一致性

広島県福山市在住の総合芸術家、ヨシダコウブンさん(表題画像)から、岡山市のクレド岡山にある伝説のセレクトショップdouce(ドゥース)に「神聖なケモノ・シリーズ」の新しい作品が送られてきました。douceオーナーの迫田美加子さんが荷物を開封すると、作品の中に、しっくりと展示できないものがありました。うつむいて地面を探索しているようなケモノが2体あったのです。 迫田さんはしばらく考えて、2体のケモノを起こして、ひとまわり大きいケモノと一緒にして、3体を並べてみました。 する

ヨシダコウブンさん一家が行く~番外編~

ヨシダコウブンさんご一家は、福岡県朝倉市秋月のアジア民芸と庭園喫茶、「ろまんの道」を訪れました。 さっそく、お店のマダムと記念撮影です。 畏友と再会し、笑顔いっぱいのヨシダコウブンさん一家です。 ・・ヨシダコウブン一家は、多重世界に生きています。異世界のヨシダコウブンさんご一家はこちら・・。 はらぺこうつわ、こと、山本薫さんの陶フィギュアが協演してくれました。