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maruさんの作品の紹介

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総合芸術家maruさんに関する記事をまとめてみました。
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記事一覧

maruさんによる子猫の造形

倉敷・白壁通りのアートギャラリー、ビョルンで遭遇した、maruさんによる子猫の造形です。 クッキー大のとても小さな陶土の作品で、 手指だけでざっくりと作られた造形なのに、骨盤周囲の殿筋の発達が、 前脚の肩甲帯周囲筋の隆起が、両者をつなぐ背筋のしなりが、見事に再現されています。細部に宿ったリアルに、しびれてしまいました。 精神への贅沢なごちそうになりました。 maruさん(男性)に造形方法を訊いてみたところ、ひとかたまりの土から手でひねり出すのだそうです。後から土を足

maruさんの小舟で再現した池田遙邨の世界

倉敷市立美術館は、倉敷出身の日本画家・池田遙邨(いけだ ようそん:1895〜1988)より多数の作品の寄贈を受け、1983年に開館しました。池田遙邨の作品は、入れ替わりで常設展示誰され、また度々企画展が開催されています。この夏も企画展が行われています。 遙邨の作品には、しばしば小舟が登場します。企画展でも2作品が展示されていました。 アーティスト達が集う、倉敷のモンマルトル、アートギャラリー・ビョルンは、倉敷市立美術館から白壁通りを挟んで道向かいにあります。 倉敷市立美

フェルメール作「天秤を持つ女」に秘められた寓意性〜岡島光彦さんの陶器と、maruさんの猫と、藤原康彦・葉子夫妻の立体額絵による再現

フェルメール作「天秤を持つ女」*では、日常の一場面として、女性が天秤をもち、それを眺めているのが描かれています。 フェルメール作「天秤を持つ女」(1662-65)ワシントン・ナショナルギャラリー蔵 しかし、女性の背後に画中絵「最後の審判」が掲げられていることから、単なる風俗画ではなくて、寓意性を含んでいると考えられています。すなわち、「最後の審判」は、通常、大天使ミカエルが、死者の行き先を天国か、あるいは地獄か、審判を下すために、人々の魂を天秤にかける情景が描かれるので、

maruさんの猫によるフェルメール作「牛乳を注ぐ女」の再現〜親子猫によるアクロバット演技〜

フェルメール作「牛乳を注ぐ女」は数少ないフェルメール作品の中でも、傑出した作品と賞賛されています。筆者は、1998年に国際義肢装具学会でオランダを訪れた際に、アムステルダム国立美術館で本物に出会いました。 絵は、ありふれた庶民の日常を描いていて、女性が台所で、牛乳を温めるために、壺から土鍋に注いでいます。女性の衣装は、青と黄色のコントラストが印象的です。壺の注ぎ口から流れる牛乳は、濃くがっしりとした、とろみがある液体の質感が見事に表現されています。 フェルメール作「牛乳を