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高校生時代を思い出そうとしても、いやなことしか思い出せない……☆★★

 私は中学生までは少女小説を読んでいたが、高校時代は何も読まなかった。

 少女漫画は読んだけれど。

 高校の入学式で私の人生は止まった。終わったと思った。

 入学式のあとで、教頭先生にせっかく入学したのだから頑張って卒業してください、といわれて、ずいぶん馬鹿にされたものだと思った。

 私は中学生時代に受験勉強をしなかった。3年の7月に洪水にあって、家が壊れて、物置に住んでいた。冬は寒くて勉強どころではなかった。

 だから、合格したのならそれは実力だったはずだ。障害者は頑張って勉強しなければ合格できないと思われていたのだろうか?

 授業について行けないと思われたのかとしたらがっかりだ。

 英語の先生には無視されて一年が過ぎた。

 学校でも家でも教科書を開いたことはないし、授業中は寝ていた。

 それでも落第はしなかった。

 卒業するだけなら、何にもしなくてもできると思ったから試してみた。

 だが、まずかった。卒業はできても進学は無理だろう。高卒で家にいるだけの人生なんかいやだ。

 とりあえず進学するためには勉強しなければ、と思った。

 いまのように障害者が就職できる時代ではなかったのだ。

 だから、とりあえず、進学しようと思った。

 思い出そうとしても、思い出したくなかったのか、何も覚えていない。

本も読まなかったのか、記憶にない。

 児童文学を書く。以前に読まなければならない。

 思い出したくない過去と向き合わなければ、始まらない。

 がんばって思い出そう。

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