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最初で最後の「配送戦士」③〜さらばワイラプ〜

はい。お久しぶりです。こいつnote書くって言って忘れてたんじゃねぇの?って思われた方もいるかも。でも忘れてたわけじゃなくてタイミングを伺ってたんです。


いよいよこれが2021年の振り返りnoteの最後になります。3部作になっているので、良ければ①②も読んで下さい。

それでは締め括ります↓


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今年のシーズンは成長の一年になった。

…とは言い切れないような成績で終わった。昨年から応援してくれているファンの方なら成長したところも感じてもらえるだろうが、数字だけ見たらそうとも言いきれない。

打率は .215 → .210

失策は 5コ → 4コ

三振は 32コ → 58コ

失策は誤差であると思う。だからほとんど現状維持。打率は下がり三振が増えた。


シーズン序盤はほとんど出番が無く、悶々とした日々を過ごした。打率1割台をうろうろして、たまに巡ってくる数少ないチャンスで毎試合一つ以上の結果を残して首の皮一枚を必死に繋いだ。

このような立場の選手はたまに来たスタメンのチャンスで結果を残さなければいけない。その試合で何か一ついいところがあれば次の試合もスタメンの可能性は繋がる。

だから毎試合結果を出さなければならない。1試合でも結果が出ない試合があれば次の日にはベンチに逆戻り。これはレギュラー選手に比べて大変酷な立場である。

その中でもなんとか打率を.250まで上げたり、また下げたりしながら打率がギリギリ2割を下回ったところでチームの主力がケガをした。それ以降は多くの試合でスタメンに名を連ねた。


これが前にもnoteに書いたが、「運」なのである。

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↑興味があればこちらから読んでみて欲しい。

話は戻って、はらはらと舞い降りた「運」を掴むためにはいつ来るのかすら分からないそれを掴める自分でいなければいけない。

それは実力もそうだが何より怪我をしないこと。長いシーズン、負傷者は出る。その前に自分が怪我をしないことが重要だ。


試合に出る事が増えてからはプレーにも余裕が生まれた。5試合連続出塁、1試合空いて3試合連続出塁。

7月の終わりに入ってからは8試合連続安打。そのあと1試合空いて4試合連続出塁。

8月には4本のホームランを放った。

この時期はチームの2番打者としてとても良い仕事ができていたと思う。

8試合連続安打をした試合は5勝2敗1分と、今シーズンチーム最多の5連勝に大きく貢献できたのではないだろうか。自分が成績を残すことでチームが勝つと言うことは今までほとんど経験がない。だからこそとても嬉しかった。

昨年の自分を知っている方なら"あの藤原蔵太が"8試合連続安打したのである。2試合連続、3試合連続出塁するだけでも、おおすごいな。となる選手だったのだ。

それが8試合連続出塁ではなく「安打」なのである。それはもう昨年の滋賀ブラックスファンの方からしたら天と地がひっくり返るような大事件なのである。多分。笑

間違いなく今シーズンの、さらに自分のこれまでの野球人生の中で最も素晴らしい「野球選手 藤原蔵太」だった。

今までは目の前の1試合で結果を残さなければ次がないプレッシャーの中闘ってきた。しかしそのプレッシャーから解き放たれた時に、今までのその経験が最大限に生かされた。

言い方は悪くなるかもしれないが、レギュラーの選手は数試合結果が出なくてもまた次の試合に出れるのである。だから1試合の中の約4打席で色々なことができる。1打席目に例え凡退しても「あと3打席あるからそこで1本出せば大丈夫」と考えることができる。

しかし、ベンチの選手はどうか。たまに出た試合で1打席目に凡退したら「もうあと3打席しかない。あと3打席で1本出さなきゃまずい。」となってしまう。

これは自分の場合だが、これは共感できる選手も多いのではないだろうか。この心の余裕は間違いなくプレーに出る。

それに、4打席の中で試せる内容が違いすぎる。この打席は追い込まれるまで見逃してみようかな。って思えることが当たり前ではない。明日も明後日も来るであろう選手の4打席と、明日が来るか分からない選手の4打席は重さが違う。そんなことを試す余裕などない。その1打席が生き残るためのチャンスであるため、常に全力を尽くす。

それが今年一年試合に出続けていて1番感じたことである。


シーズン終盤には痛いまま放置していた腰痛が悲鳴を上げた。座っているだけでも痛み、思ったように力が出ない。

翌日、整骨院に行ったところ右のもも裏と右の臀部を肉離れしていて、機能していないしわ寄せが腰痛となって現れた。と説明を受けた。だがこの時、もも裏と臀部に痛みはなかった。

残りのシーズン12試合。怪我を隠して試合に出る選択をした。だから監督には言わずにテーピングをしながら試合に出続けた。

次の試合ではレフトに一時逆転のスリーランホームランを打ち、そのまた翌日には右中間の最深部に同点のソロホームランを打った。

昨年ホームラン1本の選手が怪我を抱えた状態で2試合連続ホームラン。これは信じられない成長である。

しかしそのあとは今シーズン1番の大不振に陥った。この試合の終わりで.239あった打率はシーズン終了までに.210まで落とした。何をしてもうまく行かず、何もできなかった。

以前の有料noteにも書いたとおり8月の給料は44,000円。身体はボロボロ、お金がないからお米を炊いてレトルトのカレーを毎日食べる生活、試合では何をしても結果が出ない、うまくいかない。

こんな状況に精神がボロボロになりそうだった。


そんなBCリーグで2年間、酸いも甘いも噛み分けてきた。個人的には「酸いも酸いも酸いも甘いも」くらい。


これまでの野球人生では経験できなかったことを2年間で堪能できた。

2020年は133打席に立ち、それまでの約10年間の打席数を1年で超えてしまうと言う大事件が起きた。

そして今年、2021年は昨年の打席数を超える179打席に立ち、チーム最多本塁打(6本)、8試合連続安打、2試合連続ホームラン。と大事件を遥かに上回る大大大事件が起きた。


これまでも自分の可能性を信じてきたつもりだ。俺ならやれる。NPBに行ける。そう信じ込んで動いてきた。

だけれども、信じていたはずだったのだけれども

この結果には驚きを隠せない。「俺にこんなことができたんだ。」の連続だった。大きな壁をやっとの思いでよじ登って新しい景色が見えたような。そんな感覚だった。

BCリーグの西地区4チームは、来年からBCリーグから外れて新しく「日本海オセアンリーグ」と名前を変え新たなスタートを切る。

最初で最後の配送戦士。最初で最後のこの一年に立ち会えた1人に慣れたことは自分の人生においてとても貴重な経験になったと思う。ありがとうワイラプ。さらば、ワイラプ。

そして、2年間貴重な経験をさせてくれた、BCリーグ。自分のこれまでの野球人生では考えられなかった、そんな野球選手に成長させてくれた、BCリーグ。

本当に本当に感謝でいっぱいで、ここまで来た自分もそうだけどこの環境で野球をさせてくれた多くの方々に感謝します。ありがとうございました。


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来年はどうなるんですかね。

さっきも言ったとおり心も体もボロボロでお金もないのでこれから先の人生ともしっかり向き合っていこうと思います。

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たくさんの方から頂いた食品で今日も生きています。しかも人の家で。

自分がここまで野球を続けて来れているのは周りの人の支援やサポートがあるからこそ。たくさんの優しい人たちに恵まれて本当に自分は運が良い人間だと思います。いつもありがとうございます。

2年連続でクビになり、自分にはもうなにもありません。

ただ、自分の周りにはたくさんの優しくて素敵な人たちがいます。その人たちを愛して大切にできるような人間でいたいと思います。


ここから下は有料になります。ただ、文章自体はここで終わりで、お礼しか書いてありません。それでももしここまで読んでよかったと思っている方があるので有れば購入してもらえたらとても嬉しく思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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