よばわる
かなり昔に高校の同級生から聞いた話。
怪異などとは無縁の子。
早くに結婚して旦那さんの実家に同居していた彼女は相手の親達と上手くいかず
妊娠していた頃は特に辛かったそうだ。
町の中でも奥のほうの静かな場所
家を飛び出してもコンビニひとつない。
足が川の方に向き河原で頭を冷やして帰ろうと。
いつのまにか橋の上で川を眺めていた。
川の流れる音が心地よい。
ふと誰かが名を呼んだ
呼ばれた。
橋の下の河原で彼女の名を確かに呼んでいた。
「おい、何やってんだ!呼ばれたら走ってこいマヌケ!」
大嫌いだった高校の体育教師の声だ。
橋に背を向け全速力で逃げた。
「うちら、アイツの声がしたら全力で逃げる!だったかんね笑」
「だね、殴られないように逃げる」
よろしければサポートお願いします。壊れつつある身体を機械の身体に変えていく資金にします。(関節の人工化とか、目玉の水晶体取り替えとか)将来的に。