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生きる者の熱量

私の話
どこの町にも
「ここの店続かないね」
と言われる店舗があるよね。
そう
場所も人通りもそこそこ良いのに
入る店、入る店一年続くかどうかで
"テナント募集"になってしまう。
そんな、店。

自分の地元にもそんな店舗がある

最初に新築で、その場所に入った定食屋

安くてそこそこ美味いというから
行ってみた。
座って店を見渡すと
おやおやおや
隅っこに
店の影になるところ
そこここに
いらっしゃる。
この世のものでない方々。
うわぁ、なんだたくさんいる。
自分の座った6人がけの小上がりに
うるさい系な奴がいた。
ブツブツと何か言ってる。
うざいから、卓上の塩をぶっかけた。
ヤバいな、この店。

一年たたず閉店

半年ほどの後
居抜きで入った居酒屋
そこも、安くて美味しいし
宴会やるのも良い場所だったのだか
前の定食屋より
見えない者達が増えた
8ヶ月くらいで閉店

それから一年ほどは
空き店舗だった

そして、
地元で、ブイブイいわせてる
大盛り!
美味しい!
定食屋さんが
宴会が出来る大箱として
その店舗に
新しい店を開店した

またすぐ撤退かな
と思いながらも
その店に行ってみた。

変わらず、この世の者でない方々はいたが
その日入っていた
店主さん(グループの経営者)が
店の中を配膳に走ると
やつらは店主にぶつかると消えた。
大きな掛け声
チームワーク
盛りあげたい店のチームの
熱量
それにらあてられたように
店員にぶつかると隅にとんだり
消えたり

昼は大盛りの定食を食べに
お腹を減らした近隣の工場
タクシーの運転手さんら
が列をなした。

熱量カロリー
満腹に幸せになる皆の
満足な顔

夜の宴会の笑い声
勢いよく空になる
皿、丼

消えていく
見えない者達

3ヶ月ほど後
地元での宴会で行った時この世の物ではない者は
その店には
いなくなっていた。

あー
そうか!
店外
上空を見上げてみたら
彼らが通っていた道が
大きくずれていた。


この話の
前の話になるかな
興味がらわいたらこちらも。

https://note.com/kuramoto/n/na19a52ad01a5

#怪談 #実話怪談 #怪異譚  



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