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好きさが憎さに変わる時
前置き
僕ヤバ記事ですが、割とヘイト記事なので読まないでいただきたいです。
特に、Karte84が好きな人はやめてください。今回は否定です。
気持ちの置き場所も無いので、とりとめもなく書き留める次第です。
Karte84の感想
タイトルは僕は大丈夫。
内容については読んだ人ばかりだと思うので、ここでは省略します。
簡単に言えば、自己肯定ができない市川が、自己肯定できる回。
大きな転換点です。
おそらく多くの人は、市川京太郎の前進に心を打たれたのではないでしょうか?
感動的な、自己肯定の発露です。感動してしかるべきです。
………。
……。
…。
……まどるっこしいい方をやめてはっきり言うと。
私はこの回が嫌いです。
ページをめくるたびに聞こえてくる自分の声は。
イヤッッ!!やめてッッッ!!
という、心の軋みみたいな不協和音でございました。
かつて陽の中にいた少年が、挫折によって日陰を居場所にし、陰キャだ、自己防衛だ、と。
そんなふうにいつの間にか不幸を鎧にするような生き方をするようになった。
でもそんな彼がこれまでの積み重ねを持ってそういうものを捨て去り、光という言葉を口にするという、決定的な決別の回。
自己否定を踏み出さないことの言い訳にしていた自分を捨て去る、成長。
陰キャであることは変わらないでしょうけれど、市川京太郎というキャラクターが持っていた一つの核の不可逆の変化。
あまりにも当たり前で、あまりにも多くの人が経験したであろうこのあたたかでまばゆい成長が、自分でもびっくりするぐらい、嫌でした。
緩やかに続いてきた成長・変化がこの回に形として結実したことで、
京ちゃんのちょっとみじめったらしい言い訳も、もう見ることは無いのでしょうと思ったのです。
これだけは、ちょっと変わってほしくなく。
そして、頑張って変われてしまう人間に対する妬みが向いてしまうことをやめられないほどにまぶしく。
遠くに飛び立っていく姿に、イカロスみたいに落ちてしまえばいいと地面の上から見上げながらに憎さと嫉妬に満ちてしまうのです。
だからそういう風に感じさせられてしまう道へ彼が進んだことに、どうしようもなく嫌な気持ちにさせられるのでした。
………
まあ、それだけだったら良かったのですが。
この回はストーリー展開的に、キャラクターを構成してきた事件や気質を考えれば実に素直で、最も滑らかな道筋でしょう。
要は、エンターテイメントとしても、人物を基にしたシナリオ進行としても非の打ち所がないという所です。
読者の多くを喜ばせるに足るカタルシスを提供しながらも、
市川京太郎という、陽の世界からちょっと日陰の世界に転げてしまった少年が、自分を信じる気持ちから陽の世界に戻ろうという展開は全く無理がありません。
キャラクターを捻じった感はなく、確かにこうなるだろうという説得力を持たせている時点で、構成力とシナリオに(そんなことをわざわざ言う必要も道理もないが)意見を述べるようなところもありません。
……つまるところ、いくら嫌だと呪ったところで。
読み進める自分としては"この展開以外にあるか?"という問いに対する解は無いのです。自分の中では、これが正解で最終回答です。
この先の展開は、自己肯定を基に奮起する市川と、弱さを抱えながらに立ち向かう山田の光の話になっていくことはもはや疑いようは無く。
現実の難しさに怯んだり、越え難かったりする壁はあろうとも。
いじけた逃げとか、そういうのはもう見られないのだなと。
きっと私ができなかったようなものを乗り越えていく話になっていくのを嫌だと思いながらも、それ以外のストーリー以外は受け入れられそうもない自分がおり、拒否感でおかしくなりそうなものなのです。
………
終わりに。
嫌なら読むな、という言葉があります。
まあその通りだと思います。
でも、人が創作を追う動機は、それで割り切れるんでしょうか?
「執着」と「好き」が分かれているとき。
「好き」だけが「拒否感」に変わったら?
そこにはきっと「執着」と「拒否感」だけが残るのです。
Karte85で告白があるとは思いませんが、
Karte48の先を行くような心の通い、
一つの決着来ると思うと、心がきしむ音が聞こえてくるのです。
しかし、
作品が面白いから読むのをやめられず、勝手に傷つくことしかできないのだろうなあと。
Karte85を読んで思った次第なのでございました。
私はほんとうに、まぶしいものが嫌いなのです。
それくらい、まぶしい回でした。
今回の報告は、以上です。
好きなことを好きな時に書く!それがストレスを溜めないライフスタイルなんだよ