【読んだ】やや黄色い熱をおびた旅人/原田宗典
この本を読み終えた深夜一時、私の住んでいる住宅街はいつものように静まり返っていた。時々車の走る音や犬の鳴き声がする以外は、何も聴こえなかった。空調の効いた部屋と触り心地のいい寝具、夜の静寂は、平和そのものだった。
『やや黄色い熱をおびた旅人』は、エリトリア、ユーゴスラビア、カンボジアなどの紛争地域を訪れ、実際に戦闘が行われた場所や難民キャンプ、そしてそこで暮らす人々、支援活動を行う日本人などを取材する旅行記である。著者はテレビの戦争特集のレポーターとしてこれらの地を訪問する