愛がなんだ【映画感想文】

仕事帰り、家に着きシャワーを浴び布団の上に乗る。
帰り道に見たアイシールド21のまとめ記事を見たことを思い出し
ネットフリックスでアイシールド21を見ようと思い、検索ワードに「あい」と入力した。

そこに出てきたのが本作品「愛がなんだ」

とても、アイシールド21を見ようとしていた人間が見るような映画ではなさそうなのだが
何故か、惹かれてしまいとりあえずあらすじだけ読んでみることにした。

あらすじは
28 歳のテルコはマモル(マモちゃん)に一目惚れした5ヶ月前から、生活はすべてマモちゃんを中心に動いている。仕事中でも、真夜中でも、マモちゃんからの電話が常に最優先。仕事を失いかけても、親友に冷たい目で見られても、マモちゃんがいてくれるならテルコはこの上なく幸せなのだ。けれど、マモちゃんにとっては、テルコはただ都合のいい女でしかなかった。マモちゃんは、さっきまで機嫌良く笑っていたのに、ちょっと踏み込もうとすると、突然拒絶する。今の関係を保つことに必死なテルコは自分からは一切連絡をしないし、決して「好き」とは伝えられない。
ある日、朝方まで飲んでマモちゃん家にお泊まりしたことから、2人は急接近。恋人に昇格できる!と有頂天になったテルコは、頼まれてもいないのに家事やお世話に勤しみ、その結果、マモちゃんからの連絡が突然途絶えてしまう…。
それから3ヶ月が経ったころ、マモちゃんからひょっこり電話がかかってくる。会いにいくと、マモちゃんの隣には年上の女性、すみれさんがいた…。

どんでん返しがあったり、まさかのという要素はあまりなく
この映画を見た人々は様々な想いをテルコ、マモちゃん、中原くん、葉子さんにのせてみることになるだろう。

CASE.山田 テルコ(前半)


5ヶ月前からマモちゃんにぞっこんで、マモちゃんを中心とする生活になってしまう。
マモちゃんが風邪をひいたときに電話があり、まだ会社にいたら、帰りに何か買ってきて欲しいと言われたテルコ
既に帰宅していたが、まだ会社でちょうど帰るところだったと嘘をつき、マモちゃんの元に急ぐ

マモちゃんの家に着き、食べ物を準備するテルコ
マモちゃんに味噌煮込みうどんをつくり、勝手に風呂場の掃除までしてしまうテルコ

それを見たマモちゃんは急に不機嫌になり夜にテルコを1人家から追い出してしまう

財布の中にお金はほとんど無く親友の葉子に電話してタクシー代を出してあげるからと言われ葉子の家へ

タクシーから降りると仲原くんという葉子彼氏、、、ではなく、なんとも微妙な関係の男の子から葉子の財布を受け取りそのまま葉子の家に向かうのでした。

急に不機嫌になったマモちゃんのことを葉子に話すと、葉子はそんな男とは早く別れなと言うのですが、
テルコはそんな話を聞きながら葉子の母が作った筑前煮を「うまっ!」と言いながら葉子にあんたに同情するのはバカみたいと、呆れさせれしまうのでした。

前半のテルコ編
マモちゃんの愛ゆえに言われればいつ何時だって、マモちゃんの元に向かうし、マモちゃんに愛されるためになんでもしちゃうような危うさがある女の子

周りから見たら明らかに暴走しているが、マモちゃんに対しては嫌われることがないようにマモちゃんに尽くす。
そんな気持ちの表れがマモちゃんに積極的に連絡はしないが、誘われたら何をおいてでもマモちゃんのところへ行く。
尽くして尽くして尽くしてもマモちゃんは振り向かないばかりか、いつのまにかテルちゃんだった呼び名が山田さんに変わっている。

この辺りからテルコの心の中はマモちゃんに愛されたいというような感情は消えていったんじゃないかなと。
初めはマモちゃんに愛されたいから一緒にいたいと思っていたはずなのに、この時はマモちゃんと一緒にいたいから、という考えになっていた。
その感情が、見ている人の共感、或いはその狂気に恐怖感と淋しさを感じるだろう。
一つ一つのシーンは何気ないものが多いのにも関わらずこれだけの感情が呼び起こるのは
それぞれの過去にリンクするような普遍的な問題が各所に置かれているからだと思う。

例えばテルコの電話一つでマモちゃんの元に駆けつけるなんてのは、恋愛をしてきたアラサー世代の人間なら男女問わず共感できるものだろう

そして、そんな一般的に見れば悪いやつに振り回される友達に相談を受けることだってごく当たり前のことだろう。(そんな友達に何を言っても無駄なことということまでセットで)

テルコはそんな誰にでもあるような日常の問題に提起者に感じました。

CASE.田中 マモル(前半)


5ヶ月前のパーティーでテルコと知り合い意気投合しそれからテルコとの仲を縮めそれでも付き合いはしない、なぁなぁな関係を創りし者。

僕はこの作品で1番共感や気持ちがわかるキャラクターでした。

あまり、多くの友人関係を持っておらずただなんと無く金曜日に仲の良いテルコに電話をかけ飲みに行かないかと誘う。
現代の20代男子小動物系ナチュラル小悪魔の代表のようなキャラクター

作中も葉子から、そんな男とは離れた方がいいと、言われたりしているテルコからの評価以外は低い男

マモちゃんが風邪をひきテルコを呼び出し急に掃除をし始めるテルコに対して急に不機嫌になり、帰らせてしまうシーンがある。
SNS界隈ではマモちゃんの不誠実さを非難する声が多く聞かれたけど
僕としてはそこまで批判的な考えにはならなかった。
マモちゃんは恋人に対してあくまで対等な関係性を望んでたんじゃないかと思う。

頼んでもいないのに掃除を始めたテルコに対して、意識してか無意識かはわからないけどこの子とは対等に恋愛を出来ないのではないか、という気持ちが出てきたんだと思う。

対等な関係を作れないなら恋人になれないと思って突き放した、そう思いました。
その後、飲みに誘うのは淋しさに負けた男の弱さであり、小動物系ナチュラル小悪魔たる所以でもあると思うのだが。

坂本 葉子


テルコの親友としてマモちゃんのような男とは距離を話すべきと説教するが、自分の仲原に対する態度はマモちゃんと同じという
自己矛盾がありつつもそのことに対しては気付かないふりしているのかなんなのか。

テルコと仲原からは追われるだけの人間と思われているが、やはりそのあたりもこの映画の大事な部分でも、あると思う。

終盤で仲原と連絡と取れずになんとも気にしていないような素振りを見せるが
仲原のことをネットで調べて仲原の写真展に急に顔を出す。
仲原と葉子の関係はいい感じに進展していったのではないかと勝手に想像してます。

仲原


この物語の隠れキーマンだと思ってます。

彼の登場はテルコがマモちゃんの家から追い出されて、テルコが家に来るとこになると仲原くんが追い出されてしまいます。

葉子はマモちゃんを批判するがそれと全く同じことを仲原に対しては何も感じずに行ってしまう。
「人間は自分のことに対して鈍感だが他人のことに対しては結構敏感」
ということに気付かせてくれるキャラ

ただ、仲原は自分を押し殺して自分から葉子の家を出ていったし、仲原の心の外には淋しさという感情が漏れていないのがテルコとの違いですね。

大晦日、葉子に呼び出されテルコと仲原と過ごすことになっていたのだが
葉子が急にパーティーに行くと言い居なくなってしまう。
残されたテルコと仲原は二人で語り合う。

仲原は「葉子さんが寂しくなった時にいつでも呼ばれる存在でいたい」
と言うんですがこれも自分に嘘をついて今の関係でいいんだと自分に言い聞かせる嘘にしか聞こえない。

終盤付近にテルコ、マモちゃん、仲原、すみれの4人でキャンプに行くことになる。

その中ですみれに葉子との関係性について問いただされる。

そんな中、仲原は自問自答をして

葉子のことを好きになることをやめる決意をし

もう会うことはなくなることになると思いテルコを最後のラーメンに誘う

その中で葉子のいうことをすべて受け入れている、自分が葉子さんをだめにしているという

仲原は葉子さんはさみしくならない人間だといい

自分やテルコはそんな人間だからこそ葉子のような人間によって行ってしまうのだと言います。

テルコからいろいろ言われるも、最後に「しあわせになりたいっすねぇ」と言いその場を後にします。

その後葉子からの連絡を絶ち

写真展を開催するが、そこに不意に現れる葉子さん

驚きはするものの、写真を見る葉子

なんだかこのシーンは精神的に自立した仲原君と葉子がいい感じになっていくようなきがして好きです。

CASE.山田 テルコ(後半)

映画後半でマモちゃんに急に呼び出されるテルコ

そこには見ず知らずの女の人とマモちゃんが

テルコが訳も分からず席に着くとすみれという女性を紹介される

訳の分からない飲み会を終えてテルコはマモちゃんに問う

あの人恋人?

これは、恋人を紹介する会だったのかな?

恋人ができたからもう電話するなということ?

というと、マモちゃんに

山田さんのそういうところ苦手と言われる

逆にすみれさんを見習いなよと言われる。

ガサツだし気も使わないし

この言葉を聞きマモちゃんの気持ちがすみれさんに向かっていることに気づく

だがもうテルコにとってマモちゃんの気持ちはどうでもよくなっていたのだとおもう

ただマモちゃんのそばにいてればいい、そんな気持ちが芽生え始めたのかも

そうして過ごしてるうちに、すみれから電話が

すみれのもとに行くとマモちゃんに会えると思い向かうが

いざ到着するとマモちゃんの姿はない

テルコは助けを求めるようにマモちゃんに電話する

マモちゃんはすみれに会えるからという理由で来てしまう

場の空気に合わないマモちゃんとテルコはその場を後にする。

帰ろうとするとマモちゃんがテルコの家に行っていいかと問う

もちろんテルコは断ることもなくマモちゃんを招き入れる

すみれに相手にされない淋しさからテルコを抱く

テルコはすみれに向いている気持ちを知りつつも受け入れてしまう

ここまで書いてあれなんですが、シーン別でまとめることにしました。



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