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日本デザイン学会に参加しています

今回は九州産業大学で行われている 第71回 日本デザイン学会 春季大会 への参加について書きたいと思います。今回の学会では口頭発表に申し込み「コミュニティデザイン」の論文を1本提出しました。


日本デザイン学会とは

日本デザイン学会とは、デザインに関する学術的研究の進歩発展に寄与する学術団体です。

日本デザイン学会JAPANESE SOCIETY FOR THE SCIENCE OF DESIGN -JSSD
日本デザイン学会は、1953年7月20日の設立以来(翌54年3月22日に第1回総会を開催)、「会員相互の協力によってデザインに関する学術的研究の進歩発展に寄与する」ことを目的として活動を行っている日本学術会議登録・認定の学術団体です。
今日の多様なデザイン課題に対応し、国際デザイン学会連合:International Association of Societies of Design Research(IASDR)の中核学会として、国際学会の運営に参画し、国際的な学術連携を推進。また、国内において研究発表大会、企画大会(シンポジウムなど)を毎年開催するとともに、特定のテーマに関する会員相互の研究交流を促進する研究部会活動などを積極的に進め、こうした成果を学会誌「デザイン学研究」(論文集・特集号・作品集)などの出版物を通じて広く国内外に発表し、デザインを基軸にした社会と文化の健全な発展に寄与することに努めています。

日本デザイン学会 Webサイトより

デザインということで、プロダクトデザインはもちろんですが、サービスデザインや地域デザイン、創造性研究や農業デザインなど様々な部会で活動されています。学会は年2回の大会があり、口頭発表やポスターセッションにより研究内容が発表されます。

コミュニティデザインの論文を提出

昨年の春季大会では聴講だけでしたが、今回は大学院での研究の一環として自分の研究に関する論文を提出すべく3月4月で1本論文を書き上げました。(インタビューにご協力いただいた皆様、ありがとうございました!)

研究のメインテーマは「価値交換とその手段としての地域通貨」なのですが、そもそも価値交換とは?を考える必要がありました。もちろん世の中には価値交換で溢れており、特に資本市場主義社会においてはあらゆるものに値札が付き通貨によって交換される、まさにいたるところで価値交換が行われています。

通貨によって便利で効率的になった価値交換ですがその結果、相手の顔が見えなくなり公共財の搾取・破壊が進んでしまっているという負の面もあります。そこで「地域通貨」というオルタナティブな価値交換手段がうまく使えるのではないか?と考えています。(もちろん、単に地域通貨を導入すればいいというものではなく、そこがアイデアの出しどころだと思っています。)

ともかく、この価値交換の解像度をもっと高めて理解するためには、フィールドを限定して価値交換を観察する必要があると考えています。そこで今回は「学習コミュニティ」における価値交換をテーマにしてみました。

コミュニティにおいてテイカーの意義とは?

市場(マーケット)での価値交換と違い、コミュニティ内の価値交換には明確な価値尺度やメニュー表は存在しません。そのためあやってあげる・やってもらうという関係、ある意味で贈与的な関係で成り立っています。そうすると発生するのが「テイカー」と呼ばれる人たちです。テイカーとは「自分が与えるよりも、多くを受け取ろうとする人」のことで、一般的にはコミュニティにおいては歓迎されません。

しかしインタビューを重ねていくと「ずっとテイカーでありたい人はあんまりいなく、テイカーでいることに申し訳なさを感じ、キッカケがあれば自分もコミュニティに貢献したい」と考えていることが分かりました。またテイカーがいることで「教えてあげたい」という貢献の意識が芽生えたり、コミュニティ内の関係性が構築されたりします。

つまりテイカーは一概に排除すべき対象ではなく、その参加度(コミュニティへの参加歴・参加頻度)によってその意味合いは変わってくるということが言えるかもしれません。これは新しいコミュニティに参加するときの心理的ハードルを下げることにもなりますので、個人的にも嬉しい発見です😁

まとめ

今後は、コミュニティ内の価値交換で使えるツールやルール、周りの環境を作ってみて、どんな風に使ってもらえるかを観察し、価値交換の探究を進めていきたいと思います。

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