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東村山の「百才」の空気に包まれに行く。

12月の最初の土曜日。「百才」で「つながる市」がやっている日。いつかと思いつつやっと都合のつく第一土曜日。天気もいい。目覚めもよい。自転車をこいで隣の町まで出かけることにした。

東村山市の府中街道沿いにある、天王森不動尊の横の数年間空き家だった古民家を、家主の想いを引き受けて地域を巻き込みひらかれた場所として古民家のその素材のままリノベーションをして2019年7月にオープンした母屋と離れ。

コミュニティースペースで事務所でコーヒーとビールスタンドでアトリエとシェアキッチン。

意気込んで行くような場所ではない。なんとなく、そう、なんとなくふらと訪れている。それでも理由はある。ここに事務所を構える主の顔が見たいと思う気持ちが一番強い。

府中街道から覗く百才の庭に出店者が並ぶ。母屋の屋根と青空。木々を結ぶ三角のフラッグ。それだけでワクワクとしてくる。

12月のテーマはおくりもの。

母屋の裏口にあるコーヒースタンドにまず向かう。この勝手口感がずっと好き。なんか勝手知ったるみたいな。「みぢかな珈琲」を頼むと、店主のあたたかな笑顔とともに10分ぐらいお待ちくださいと札を渡される。

その札を握りしめて、おくりものの店をめぐる。

季節柄かそれぞれでシュトーレンを販売している。
その食べ比べセットが販売されていて、迷わずに購入した。

「Commons Kichen」「MAUPAN」「Sunny Sweets」の3店。

縁側に座り、ゆっくりと頬張ってみる。どれがどれって覚えてないけれど、どれもこれもおいしいとほっぺが落ちるしっとりと甘いシュトーレンで。ナッツとかレーズンとか、うん、この食感って小さくしながら頬張った。

お待たせしましたと届く「みぢかな珈琲」のコーヒーが一口ごとに甘いをリセットしてくれる。

凛とした空気をかもす母屋。梁にむき出しの屋根の板。冬は寒く夏は暑いんだろうなって想像。その縁側でね、座布団に座るなんて久しぶり。なんかこうお尻にやっぱりやさしいんだってお尻を埋める。

ずっとここに座っていたいって、そんな心地良さにただ包まれている。
その目の前を多種多様な人々が行き来する。

馴染みのばあちゃん。
散歩がてらのおじさん。
自転車でやってくるお姉さん。

そんな普段と変わらないままにこの場所に訪れる人々を抱擁する、なにかすっと一本筋がとおる空気感がやっぱりいいなって思うんだ。

「green&flower craft Happiness」の緑のイロドリがカラフルで冬晴れの空に映えて心が躍る。あまりこういうところでは買わないのにお正月飾りを購入した。

そのままドライフラワーになるんだって。

外で写真を撮っていた主と会い、ぽつぽつと短い会話をする。
こういう距離感がなんだかいいんだよ。
まあ、お互いのペースでって話して別れる。

「市」って気を抜くと買いすぎるよね。
気を少し抜きました。

でも、こう繋がる地域で動くプレーヤーをセレクトして温もりを感じる場所としての「百才」が、この場所に根付いていることがすてきなこと。

なんかね。なにかが軽くなるような気がするんです。また来るよっていつものように。

【百才】
  東村山市久米川町4丁目46−1


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