失恋？

当時。
あの人は、私以外に、もう一人の女の子にも、声をかけていました。

いつだったかは、覚えていませんが、
おそらく、11月か12月。魂の片割れの話の少し後だったと思います。

あの人が、授業中に、突然、
「愛の告白」をしたのです。

私は、呆然としてしまいました。
しかし、

(いやいや、生徒として大事に思っている、って意味だよな。)

と思い、動揺を押さえ込もうとしました。

しかし、授業の後、
最前列の女子集団が、

「あの人、誰かに告白してなかった？ヤバい、誰だろうね？そうだ、くらはちゃんに聞いてみよう。」

と言って、私に、誰に告白していたか、聞いてきました。

私は、

(え？あれって告白？え？？？授業中に？？
てか、誰に？もしかして、私？あの女の子なの？)

と混乱してしまいました。

言葉につまっている私を見て、
女子の一人が、

「わかんないかー
てか、くらはちゃんではないよね？派手な女って言ってたもんね。」

と言って去っていきました。

私が混乱していたのは、
告白の相手が、私かあの女の子のどちらか、わかりかねたからでした。

あの人は、告白の前に、
相手を特定する言葉を、列挙していました。

「お前が最初に気付いた。
最初はただの派手な女だと思っていた。
普通の女と逆の反応をした。」

そんな内容でした。

最初に気付いたのは、確かに私。
でも、私は、地味で、あの女の子は、少し派手め。
ある質問で、あの女の子と私は、逆の反応をした。

(普通に文字通り受け止めたら、
派手なあの女の子が相手だよね。

でも、今までの経験上、あの人は、周りに気付かれないようにするんじゃないかな？
だから、あえて、正反対の言葉を使った？
でも、、そんなの無理がありすぎかなあ。

普通の女って、どういう意味なんだろう？
私の答えが正解だと、あの人は言ってたけど、「普通」ってどっち？
やっぱ、あの女の子の答えが変わっていたから、「普通」は、私かなあ。

ただ、、あの女の子に対して、俺を選ばれても困るって言ってたよね。

でも、やっぱり、普通に考えたら、あの女の子が相手だよね、、私じゃないよね。)

(私、失恋しちゃったんだ。)

そう思い、胸が張り裂けそうな気持ちになりました。

今でも、この時の気持ちを思い出すと、
胸が張り裂けそうになります。

この日の後は、
あの人の授業を受けるだけで、精一杯でした。

ある日の授業中、

(眠っていろ)

と、声が聞こえました。

私は、その声の通り、
眠ったように、フワフワとした状態で、授業を受けていました。

あの人とは、目を合わせないよう、よく下を向いていました。淡々と、辛い時間が過ぎていきました。