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ささぼーCUP~新弾王決定戦~から見る環境考察(デュエプレ8弾ALL環境)

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

今回は3/6~3/7に開催されたYoutuber「ささぼー」さん主催の812名規模の大会「ささぼー新弾王決定戦」の考察を行っていきます。

決勝トーナメントのアーカイブはこちらを、参加者のデッキリストや運営カバレージはこちらをご参照ください。

デッキ公開制という特殊なレギュレーションではありましたが、計14回の予選BO3(2本先取制)だったこともあり、運のみで勝ち上がることは決してできない大会であったと言えるでしょう。

以下で分析と考察を行っていきますが、この記事が少しでも多くの方の役に立てば幸いです。

なお、今回の記事作成にあたって、ぱぱぼー@ささぼーCup運営さんに許可をいただいております。

以前に続いて今回も快く承諾して下さったこと、何よりユーザー主導でこのような大規模大会を開いて下さったことに、心より感謝申し上げます。


全体外観・ベスト24・上位240名デッキ分布


参加者812名デッキ分布(【デュエプレ】ささぼーCup~新弾王決定戦~ デッキ分布動画【デュエルマスターズプレイス】より借用)

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ベスト4(【デュエプレ】ささぼーCup ~新弾王決定戦~ 決勝トーナメント【デュエルマスターズプレイス】より借用)

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上位240位デッキ分布(筆者作成)

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※240位としているのは、予選2日目に進出する条件だった1日目の8戦で5勝3敗以上の成績を残した方が240名だったためです。

※『ドリームメイト』は赤が3枚以上あれば『リース』、青が3枚以上あれば『トリーヴァ』、赤・青が両方3枚以上あれば『4c』としています。

※その他は4件以下のデッキすべてです。

ベスト24デッキ分布(筆者作成)

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※『カチュア天門』にも「キングダム・ゲオルグ」「アガピトス」が採用されていますが、既存の『ゲオアガピ天門』とは異なる特徴を持つため別のデッキとしています。

※以下考察含めすべてのデータは筆者の人力で数えているため、多少の誤差はご容赦ください。


双璧、崩れ難し

8弾環境の新鋭として環境を染め上げている『ドリームメイト』と『ゲオアガピ天門』は今大会でも予想通りの使用率となりました。

812名の参加者に対する使用率は併せて48.5%、上位240名に対しては57%、ベスト24に至っては63%と、上位者ほどこの二大巨頭の使用率が高くなっていることがわかります。

これらには以下の要因が考えられます。

・公開制BO3の予選14回戦ということもあり、無難なデッキを選択する人が多かった

・それ故、上位2デッキに対してメタを張る人が少なかった

・多少のメタや他デッキを押し退けるほどに2デッキのデッキパワーが高かった

良い成績を出すには、少なくとも『ドリームメイト』『ゲオアガピ天門』に対して互角以上の戦いができることが大前提であったことがわかります。

その点、全体で6.8%、上位240で7%、ベスト24で13%(3名)の『ツヴァイ』は順当な3番手であり、対抗の可能性を示したデッキであったと言えます。

環境読みをする人なら考えつつある『ツヴァイ』は『ドリームメイト』『ゲオアガピ天門』に不利はつかないという考えは、ひとまず正しいと証明されたと言えます。

もう一つ善戦したデッキを挙げるとすれば、大会運営のちゃんなべさんも”台風の目”と称していた『青単テクノロジー』で、全体で2.2%、上位240で2%ながら、ベスト24で8%(2名)と好成績を収めています。

しかし、逆方向から考えれば、『青単テクノロジー』のシェアは大きいとは言えず、『ツヴァイ』に至っては7弾で環境の30%近くを占めるほどだったにもかかわらずここまで引き下ろされたと考えると、如何に双璧が破りがたいかが理解できます。

加えて、『ツヴァイ』以外で全体シェアに対して、上位240・ベスト24で割合を伸ばせたデッキは存在しませんでした。

こう言ってしまうと絶望的となってしまいますが、一旦は『ドリームメイト』と『ゲオアガピ天門』の2デッキの群を抜いた強さは受け入れる必要がありそうです。


さて、今回は普段の環境考察とは少々趣向を変えて、各デッキの細かいところを見ていきます。

せっかく240人もの強者のデータが使えるのですから、使わない手はありません。

そのため、少々細かい話が多い上級者向けの内容となってしまいますが、ご了承ください。

なお、NEW環境の話にはなっていますが、より丁寧な環境考察は別記事で書いていますので、よろしければこちらをご参照ください。

また、下記見解は個人的なもので、少々考えすぎなものもある点はご了承ください。


ゲオアガピ天門

全体の26.2%の使用率に対して、上位240名には25%、ベスト24には38%となりました。

240名で見ると全体よりは比率が落ちていますが、ベスト24では跳ね上がっているので、推測できることは以下かと思います。

・極端に有利なデッキも不利なデッキもない

・使用者の練度に差がある

下記でも述べていきますが、使用者のデッキを解析していくと、際立って個性の出たカードを採用したデッキは少なく、無難な構築が多いと感じられました。

実際、デッキ成立から10日ほどしか経っておらず、強力なメタ要素を持った対抗デッキも出現していないため、既存の型を踏襲する安定性が指向されたのだと考えます。

その”無難さ”が最も現れていると感じられたのが、デッキの中心である「アガピトス」と「ゲオルグ」の採用枚数です。

※以下で挙げるグラフはすべて上位240名(本デッキ使用者60名)のデッキから抽出したデータとなります。

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『ツヴァイ』の「ツヴァイランサー」のように4枚マストではないけれど、強いから入れたいデッキの軸…ってカードでなんとなく行きつきやすい枚数が3枚なのかと思います。

決して3枚の方々が何も考えていないとは言いませんが、2枚、4枚にしている人は明確な理由があってその枚数にしていると推測します。

一方、これは誰しも考えて決めた枚数だろうと言えるのが、「レモン」と「竜極神」の枚数です。

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「レモン」は最初に公開されたであろうらんた@よふぃー家さんの構築で4枚積みされていたカードですが、全体の3/4が2枚構築と、思い切って枚数を減らしてきました。(0枚も1名だけいました)

色基盤であり命綱でもある「レモン」ですが、グッドスタッフ性は低いため、ミラーも意識する研究の中で減らされていったのだと考えられます。

「竜極神」はらんたさんの構築に入っていませんでしたが、その高い汎用性・フィニッシャー・赤マナとしての役割で採用が増え、全体の7割強が採用するまでになっています。

「竜極神」と同じフィニッシャーとしての性能で考えると、「サファイア」の採用率はそこまで高くありませんでした。

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採用されている方も多数が1枚のみで、単色・重さ・汎用性など様々な面から「竜極神」で十分だと判断されているのだと考えます。

また、7弾環境の『天門』では不可欠であり、今も採用の有無が議論となる「魂と記憶の盾」は採用者の方が多い結果となりました。

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とはいえ、4枚積む人はほとんどおらず、2~3枚採用が目立ったため、除去が以前の『天門』より細い点は否めません。

個人的にはミラーにも「ジェネラル・クワガタン」にも強いカードのため、変わらず採用する人は採用していくと考えます。

同じミラー対策という観点で、ALLだからこそのカードといえば「ロスト・ソウル」が挙がります。

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奇しくも「魂と記憶の盾」同様、6割の採用率となりました。

3枚はよほど同型や『ツヴァイ』『テクノロジー』を意識し、1枚は枠の都合を考えつつも引けたら強いカードとして入れられたのではないかと考えられます。

ただし、枠が厳しい上に『ドリームメイト』に効果の薄いカードのため、採用しないという考えも納得が行きます。

最後に上げるのは同じくALLでしか使えないビート対策の「ホーリー・メール」。

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マイナーカードといった立ち位置でカードパワー自体も高くありませんが、意外と盾が薄いこのデッキにとって、ビートへの有効な対抗策となります。

他、統計は取らなかったものの、個性として見られたカードは以下。

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「ライフ」は初動の安定と緑マナとトリガー、「プリズム・ブレイン」は「アクアン」に裏切られた人たちに採用が広がってきていますね。

パワーカードの詰め放題なのは過去の『天門』と変わらないため、今後尖った型の出現に期待したいところです。


ドリームメイト

全体使用率22.3%に対して、上位240名では31%、ベスト24では25%となりました。

『ゲオアガピ天門』が全体使用率に対して上位240名が少なく、ベスト24で跳ね上がったので、『ドリームメイト』との傾向の違いは面白いところです。

考えられることとしては、

・予選を勝ち進む安定性が高い

・上位は同型で潰し合った

などでしょうか。

もちろん考えることの多いデッキではありますが、『ゲオアガピ天門』よりは色も少なく、”とりあえずパンダまで到達させれば”という流れのあるデッキのため、今後も幅広いランクで見かけるデッキとなりそうです。

その”とりあえずパンダ”に繋ぐために重要な初動の採用数の内訳がこちら。

※以下で挙げるグラフはすべて上位240名(本デッキ使用者74名)のデッキから抽出したデータとなります。

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※初動とは、4ターン「パンダ」着地をさせるための3コスト以下のブースト・軽減カードを指します。

『トリーヴァ』か『リース』かでも異なってきますが、10枚以上の採用がまずは板、といったところです。

ほぼすべてのデッキで4枚確定だったのが「ウルコス」、続く採用率は「ヤッタルワン」>「ライフ」といった感じで、『リース』でも「ジャンガルジャン」の採用はそう多くありませんでした。

私の所感では「ライフ」採用者は想定より多く、「幻緑の双月」は意外なほど少なかったです。

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また、大会の少し前から巷で話題となった3ターンパンダを成す「フェアリー・ギフト」の採用は1割ほどと、少ないと言えば少ないですが、決して侮れない比率でした。

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一方、近頃採用が爆増している「アガピトス」の使用率は以下のようになりました。

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『リース』は一部、『トリーヴァ』ではかなりの割合で採用されているものの、その枚数は定まっていない印象を受けました。

4枚はなかなか攻めている印象を受けていましたが、採用者では2番目に多い比率を持っています。

次にこのデッキの強みであるカウンター要素を見ていくと、最もポピュラーな「ホーリー・スパーク」は『ドリームメイト』のトリガーとして最大の使用率78%を誇ります。

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”採用するからには4枚”という姿勢が窺えますね。

マナの伸ばしにくさから『リース』ではほぼ4積み確定で、『トリーヴァ』でも他トリガーと併せて採用されていました。

同じ「スパーク」である「バリアント・スパーク」の採用は「ホーリー・スパーク」以下なものの、それでも68%と極めて高い率です。

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こちらもオールオアナッシングが基本で、「ホーリー・スパーク」と併せて「スパーク」8枚体制の構築も多く見られました。

そして3番手のトリガー「清浄の精霊ウル」の採用率は59%となり、先の2つ以下なもののそれでも過半数に採用されています。

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面白いのは「スパーク」に比べて3枚、2枚の比率が高いことでしょう。

要因はいくつか考えられますが、やはり攻撃性の高いデッキのため、全タップで確実にターンをもらう方が優先されたのだと考えられます。

『アポロ』の減少も影響していそうですね。

傾向としてはマナが伸びやすい『トリーヴァ』ほど「バリアント」「ウル」を優先する構築が多くありました。

そして最近増えている4番目のトリガーが「アポカリプス・デイ」です。

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正直、もっと採用率は低いと思ったので、枚数で統計を取らなかったことを後悔しました。

採用有無だけなら「ウル」を超えており、枚数は2~3枚が多く、1枚もそれなりに見られました。

ある種「スパーク」以上に強力なカウンター札のため、「ジェネラル・クワガタン」とのシナジーを狙って今後も枚数を調整して採用が増えると考えられます。

そして、最後にハンデス対策の「ウー・ワンダフォー」の採用率を挙げておきます。

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公開制ということもあってこれでも率が高かった方だと思いますが、現状ハンデスを多用する『クローシス除去コントロール』が減っているため、採用はかなり下火となってきています。

傾向としては「ボルパンサー」などの打点を拾いに行ける『リース』ほど採用が多かった印象でした。

他、見かけられた採用カードは以下。

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一名いた「二角の超人」のピン投は面白いと思いましたが、他はそれほど変わり種もありませんでした。

環境初期に比べると『ドリームメイト』自体は白成分が強く、守りがかなり堅くなってきました。

守りの代名詞であるような『天門』よりもシールドが厚いというのは、なんだか皮肉に思えてきますね。


ツヴァイ

冒頭で述べましたが、全体で6.8%、上位240名で7%、ベスト24で13%と、今大会唯一の右肩上がりの成績を収めたデッキでした。

やはり「ツヴァイランサー」自体の突破力は比肩するものがなく、それなりに歴史も帯びてきたデッキのため、使い慣れた上級者が持ち込んだのだと考えられます。

その暴れっぷりもあって8弾で新規戦力を迎えられなかった『ツヴァイ』ですが、それでも周囲に合わせて少しずつ構築を変えています。

まずは「ホーリー・スパーク」の採用率。

※以下で挙げるグラフはすべて上位240名(本デッキ使用者16名)のデッキから抽出したデータとなります。

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半分の人が採用していて「ふーん」と感じますが、ALLであることを考えると驚きます。

7弾のALL環境では「ビジョン」の存在もあって「スパーク」を採用しない構築が主流であったからです。

総合1位のくさなぎつよしさんこそ「スパーク」なしの青単であったものの、環境が純粋に盾を割ってくるデッキが多いため、採用者が増えたのだと考えられます。

同じくここに来て予想された変化が「ギガブリザード」の採用枚数です。

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これまではほとんどの人が2枚採用だったものの、ここでは1枚増やした人が全体の半数近くいます。

これも『ドリームメイト』の「ウル」以外、『ゲオアガピ天門』のトリガーすべてを止められるため、環境で有効なカードだと改めて判断できるでしょう。

微小な変化でともに3名ずついたのは、「クリスタル・パラディン」の増量と「スパイラル・スライダー」の採用です。

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「パラディン」は2枚が鉄板、「スパイラル・スライダー」はあまり見ないカードだったため、変化を感じられるところです。

全体使用率3位である上に優勝者も排出したデッキのため、7弾環境でヘイトを集めたものの、今は翻って熱い視線を集めていることでしょう。

上位2デッキのシェアが圧倒的なため、これを契機に環境が回ることを私も期待しています。


白青メカオー

全体使用率5.1%に対して、上位240名では5%、ベスト24では4%となりました。

全体の率を考えると、総合2位まで残ったことも含めて讃えるべき戦績でしょう。

このデッキも『ツヴァイ』よろしく構築が練りこまれ、上級者ほどに好み、かつ双璧にヒビを入れ得るデッキです。

後から言っても意味ないですが、主催であるささぼーさんが使ってくるなら変わった構築の『天門』か『メカオー』かなと予想していたので、『メカオー』を使うところを見て過去最大に応援していました。

さて、このデッキが8弾で迎えた変化と言えば「アポカリプス・デイ」を採用し始めた点です。

※以下で挙げるグラフはすべて上位240名(本デッキ使用者11名)のデッキから抽出したデータとなります。

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横並び環境であらゆるデッキにチャンスを生み、「マザー」とのシナジーがあって、トリガーケアするカードが環境に少ないとなれば、採用すべきカードと言えるでしょう。

3枚採用は板についてきていましたが、4枚も30%弱と比較的多く、対面する際には必ず警戒する必要のあるレベルになりました。

一方、8弾で手に入れたはずの新戦力「ガニスター」や「マンモンキャノン」はと言えば、それほど採用は伸びていません。

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とは言え4割弱は決して少ないということはなく、軽減を活かした展開には慣れていなければ面食らうこともあるため、意識しておきたい存在だと言えます。

もう一つの新戦力「エル・カイオウ」は比較的好調で多くのデッキに4積みされていましたが、2コスト全体の採用枚数は変わらず8枚という人が大多数でした。

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9枚が一人もいなかったことは個人的に驚きですが、7弾よりもゲーム序盤は余裕のあるゲーム展開が可能なため、初動3コスト発進が重く見られなかったのだと考えられます。

最後にしばしば焦点となるフェニックスの採用枚数ですが、これもきれいに2つに分かれました。

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6枚が若干多いですが、計5枚を基本とする7弾の理念は現状引き継がれているようです。

ちなみに6枚の内訳はマザー4が5名、両方3が1名(2位のばちこり圭さん)で、5枚の内訳は全員がマザー3でした。

こちらも7弾の流れが続いていると言えます。

極めて得意な対面もなく、どちらかと言えば微不利寄りな対面が多いのが7弾から続く『メカオー』の特徴ですが、『ツヴァイ』同様使用者の練度は上がっていると考えられます。

今大会で総合2位につけたこともあって、トリガーが多めの環境でトリガーケアができる『メカオー』も今後使用率を伸ばしうると考えられます。


青単テクノロジー

冒頭で述べた通り、全体で2.2%、上位240で2%、ベスト24で8%(2名)と、人数こそ少ないものの今大会で安定した実力を出せたデッキでした。

速度を若干落とす『トリーヴァドリームメイト』や6マナ以上からが本番の『ゲオアガピ天門』が高シェアであり、次点に来るであろう『赤白アポロ』にも強いこのデッキには追い風が吹いていると言えます。

そんな『テクノロジー』も環境に進出してから構築を変えていないわけはありません。

最近増えているのが「ツヴァイランサー」を採用した型です。

※以下で挙げるグラフはすべて上位240名(本デッキ使用者6名)のデッキから抽出したデータとなります。

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母数が6なので参考程度のデータとなりますが、6名中5名が採用する構築でした。

枚数も2~4と幅がありますが、とりあえずは採用する構築が一般的になってきていると判断できます。

枚数が多いほどに「ツヴァイ」のお供である「アクア・スクリュー」や「アクア・トランサー」も採用されている傾向がありますね。

打点増強にもサブプランにもなるため、「ツヴァイ」自体のカードパワーはこんなところからも感じられます。

もう一つ、ALLと言えば惜しまれつつNEWから消えていった「スパイラル・チャージャー」が使えますが、実はこちらの採用率は芳しくありません。

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7弾環境では広く採用されていたものの、5→7で「テクノロジー」に繋ぐ役割は、「ブレイン・チャージャー」→「ネオングライド」に譲ったのだと考えられます。

採用していた方でも1枚、2枚程度となっていました。

見かける機会が減ってすっかり頭から抜け落ちていたのですが、「アトランティス」の採用も極めて減っています。

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順調にゲームを進めていけば「アトランティス」の全バウンスは少々過剰で、素出しが難しい上に、「ツヴァイ」とのかみ合い等を考えても減っているのだと考えられます。

この初期『青単テクノロジー』の代名詞でもあったようなカードたちが抜けていることを考えると、そもそもこれらの採用自体が不可能なNEW環境でも影響なく組めることがわかります。

ベスト24に残った2名がまさかの決勝ラウンド1回戦でぶつかることとなってしまいましたが、”もしかしたら…”と考えさせてくれるデッキでした。

だんだんと環境への刺さり具合が認知されてきているため、今後も一定数は環境で見かけると考えられます。


赤白アポロ

全体使用率5.5%に対して、上位240名では4%、ベスト24では4%となりました。

ただ、全体には『赤白』以外のものも含まれていると考えるため、純粋な『赤白』のみだと全体使用率はもっと低いと考えられます。

というのは、『赤青』『ラッカ』『赤黒』『デイガ』といったパターンがちらほらと見られたからです。

上位240名で見ると、『赤白』が9名なのに対して『デイガ』が2名、『ラッカ』が2名いたため、必ずしも『赤白』一辺倒でないことがわかります。

最近は『アポロ抜きアポロ』ならぬ『赤白ドラゴン』『赤黒ドラゴン』『デスフェニックス』の活躍も見えてきているため、同種のデッキの今後の発展に期待したいところです。

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さて、『赤白アポロ』に話題を戻すと、しばしば論争を呼ぶのが「予言者リク」の採用有無かと思います。

※以下のグラフは上位240名(本デッキ使用者9名)のデッキから抽出したデータとなります。

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若干不採用の方が多いということがわかります。

私個人的には『アポロ』が他のデッキとは特性の違うカウンター力を持っているため、単体のカードパワーが低くても生存に賭ける『赤白アポロ』ではありなカードだと思います。(もちろん、「スパーク」「ベティス」優先の上でですが)

もう一つ論争になるのがデッキの軸もである「アポロヌス・ドラゲリオン」の採用枚数です。

※以下2つのグラフは上位240名(『アポロ』系統使用者13名)のデッキから抽出したデータとなります。

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圧倒的に3枚採用が一般的だと思っていたのですが、4割弱と結構な率で2枚の方もいます。

BATTLE ARENA 3rd優勝者のそーすやきそばさんが2枚積みでしたが、その影響もあるのでしょうか。

持ってなかった、なんてことはさすがにないでしょうね。

3色の構築で枠の問題から減るのはわかりますが、純粋な『赤白』でもそこそこに2枚の方を見かけたので面白いと感じました。

関連が考えられたのが、もう一つだけ統計を取った8弾で迎えた新勢力の「ボルガウル・ジャック」です。

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「ドラゲリオン」同様に、こちらは4割近く採用していない人がいることに少々驚きました。

汎用性の高さから「ドラゲリオン」を追いやるほどのドラゴンデッキの強みとなっているカードですが、たしかに相手の場にタップしたクリーチャーがいなければ盾を割らざるを得ない「ボルガウル」は若干のアンチシナジーとも言えます。

しかし、それを汲んでむしろ「ドラゲリオン」なくてもいいのでは?となり、『赤白ドラゴン』や『赤黒ドラゴン』などのデッキが誕生しているのだとも考えられます。

つまり、「ドラゲリオン」2枚採用も、「ボルガウル」をサブプランとした勝ちルートがあるため、と考えれば納得がいきます。

しばしば構築自由度の低さを指摘されるデッキですが、こうしてみると考えるところは多分にありそうです。

『ゲオアガピ天門』の台頭までは『ドリームメイト』と首位を競るデッキであったため、7弾環境でのまさに不死鳥のごとき復活劇を期待したいですね。


その他のデッキ

まず挙げたいのはベスト24に『クローシスドルバロム』を輩出した「ドルバロム」を軸としたデッキ。

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上位240名には『クローシスドルバロム』1名、『青黒ドルバロム』3名、『天門ドルバロム』2名の計6名いました。

ここだけを見るならば『青単テクノロジー』と同じ成績であり、この極端な環境で十分爪痕を残したと言えます。

青黒を軸とした型では「マクスヴァル」「邪道外道神」によってブロッカーも増えて守りの薄さが解消されており、黒を多く入れた構築も減っているため、今後も一定の活躍は期待されます。

もう一つ挙げられるのは大会前日の3/5にALLで一位を達成した牛乳さんがnoteで紹介した『5cカチュア』。

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全体使用率2.2%に対して上位240名の内8名で3%、ベスト24では1名で4%がこのデッキを使用しており、実は『ツヴァイ』以外で唯一上位に進むほど使用率が高いデッキとなっています。

ならなぜ一項目として挙げないかというと、未だ型が定まっていないためです。

牛乳さんの構築と大きく異なる点は、「ヘブンズ・ゲート」「レモン」を採用し、『ゲオアガピ天門』に寄せた構築が多々見られるところです。(そのため、私の統計では『カチュア天門』としています。)

具体的には、「アガピトス」を4枚・3枚に増量している、「ロマネスク」を1枚や0枚にしている、「バイオレンス・サンダー」を採用していない、といった変化が多々見られました。

このデッキが参加者全体では結構な数の使用者がいたこともあって、今後環境を変化させる可能性を感じさせてくれました。

他、そこそこ善戦したデッキを挙げていくと、前環境のトップにいた『5c天門』は『除去コン』成分を強めたり『ゲオアガピ天門』に構築を寄せたりしながら240名中7名の使用率。

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「竜極神」や「ガレック」などを積極的に採用した、上位240名中4名の『デイガアウゼス』。

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変わり種では240名中2名いた「竜極神」を軸にハンデスや除去を繰り出す『準黒単』など。

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いずれも『ゲオアガピ天門』と『ドリームメイト』に勝ち目を持つデッキたちは、元々の母数が少ない中でも堅実な成果を出したと言えます。


おわりに

前回の85/512に比べると3倍近くのデッキを解析したため、かなり骨の折れる記事となりました。

字数も10000字を超えた上に細かいデータも多かったため、いまいち面白みが感じられなかった人もいるかと思います。

ですが、真剣にランクマッチに臨んでいる人にとって、自分が多数派なのか?少数派なのか?と知ることは非常に大切なことだと思います。

この記事が少しでも役に立てれば幸いです。

ここまで読んで下さった方はありがとうございました。

また、改めて本大会を開催して下さったささぼー軍団の皆様、最後になってしまいましたが参加された皆様、観戦していた皆様に心より感謝申し上げます。

それではまた。

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