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「三匹のこぶたがいた教室」

最近、最近、命の尊さを子供達に学ばせる為、小学校に三匹のこぶたがやってきました。子供達だけで世話をして、最後にその肉を食べることになります。

1組はの生徒は怠け者が多く、世話もいい加減でした。
寝床はワラだけで作られた簡素なもので、エサやりをすっぽかす子も多く、
こぶたは体調を崩して早々に食肉となりました。触れ合う期間も短い分、情もあまり湧きませんでした。

2組の生徒は普通の人が多く、それなりに世話をしました。
木で作った小屋で育てられ、こぶたは平均的な成長を遂げました。
食す時に泣いている子もいれば、無感動な子もいて、教師目線では無難な終わりとなりました。

3組の生徒は自宅にペットを飼っている人が多く、愛着を持って育てました。丈夫なレンガの小屋で大切に育てられ、すくすくと成長しました。
しかし、その愛故にいざと言う時に食べられない子が大勢いました。

3組の生徒がこぶたを食べられないのなら自分達が食べるとお腹を空かせた他の教師陣が訪れました。食べることに抵抗はありますが、目の届く範囲で食べられることも同じぐらい嫌な生徒達は、他の教師には食べさせず、養豚場で引き取ってもらいました。

他の組とは異なり自分達で食べるところまでは実現出来ませんでしたが、
担任の先生はこれも1つの答えとして、良い経験であると考えることにしました。

「あれは親も色々言ってましたが、何やかんやで確かに良い経験でした。」

同窓会の焼肉屋で3組の皆が当時を振り返りながら、楽しく夜が更けていきました。

END

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